札幌ドーム時とは収益が雲泥の差!野球の試合がない日でも「エスコンフィールド」に人が集まる「明確な理由」北海道への経済効果は年1000億円
Fビレッジは「1つの行楽地」
試合がない日も平日に5000人、休日は8000人近くが訪れ、北海道外からの来場者は全体の約3割を占める。試合がない日も滞在時間が平均3時間に上るという。 Fビレッジの成功は、野球ファン以外のターゲット層も取り込んでいることにある。もちろん、3万5000人を収容するエスコンフィールド北海道は日本初の開閉式屋根付き天然芝球場で、スタンドの傾斜が緩やかのため選手を近くに感じられる臨場感あふれる設計となっている。 球場内の飲食ブースも充実し、試合終了後も営業している「七つ星横丁」で余韻に浸るのも良し、フィールドを一望できる世界初の天然温泉やサウナ、客室から観戦できるホテルでゆったりと過ごすのも良い。試合がない日は外野エリアに無料で入ることができ、スタジアムツアーを堪能する人もいる。人気玩具店「ボーネルンド」の直営施設は屋内外の遊具を親子で楽しむことができ、手ぶらでアウトドアができるグランピング施設「ALLPAR(オルパ)」ではBBQを満喫できる。 野球場に行くと言えば、試合観戦後は直帰することをイメージするが、Fビレッジは「1つの行楽地」になっていると言っても良いだろう。スノーパークや盆踊り、親子キャンプ、ヨガなど試合の有無にかかわらず楽しめる仕組みづくりが成功し、試合観戦を伴わない来場者の平均滞留時間を3時間超にまで伸ばしているのだ。
北海道への経済効果は年間約1000億円に
2023年の売上高を見ると、コロナ前の2019年(札幌ドーム)の約158億円から約251億円と実に100億円近くも上昇している。営業利益は当初目標の26億円を上回る36億円に上った。 三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2024年2月に公表したレポートによると、Fビレッジがもたらす統合的価値は大きいことがわかる。北広島市への経済直接効果として年間500億円超、不動産価値上昇として周辺地価の上昇率は最大150%以上などになり、北海道への経済効果は年間約1000億円に達するという。Fビレッジの開業に伴う税収増効果やビジネス機会の創出などを考えれば、大成功の例と言えるだろう。JR北海道と北広島市はエスコンフィールド北海道まで徒歩5分程度の位置に新駅を設置する計画で、Fビレッジを核とした新たな街づくりが進む。
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