迫るデッドライン…Jリーグはいつ再開できるのか?
あるいは、村井チェアマンが「最後の最後まで、ぎりぎりの手段として取るべきではない」と位置づけている無観客試合での開催も視野に入ってくるかもしれない。いずれにしても、試案で75%以上とされている、シーズンを成立させるためのミニマムのリーグ戦の試合数を最低でも実施するために、さまざまな施策が講じられる。ちなみに年間34試合を戦うJ1の場合、75%以上は26試合以上となる。 しかし、サッカー界を取り巻く状況が劇的に変わる可能性もある。開幕まで4カ月となった東京五輪の開催そのものに懸念が広がっている状況下で、国際オリンピック委員会(IOC)が22日になって、大会の延期を含めた具体的な検討を開始。4週間以内に結論を出すと発表した。 今シーズンのJ1は、7月4日および5日に行われる第21節後に中断期間に突入。8月14日および15日の第22節から再開されるスケジュールが組まれている。ロンドン五輪やリオ五輪では設けなかった本大会中の中断期間を、自国開催の五輪ということで約2年間の時間をかけて協議し、開幕前の事前キャンプ時から森保一監督に率いられるU-23日本代表のために設けた経緯もある。 ただ、実際に延期された場合は、週末だけの開催にあてても5試合分の日程を確保できる。選手に大きな負担をかける過密日程も必然的に緩和されるが、3位に入った1968年のメキシコ五輪以来のメダル獲得へ、サッカー界をあげて全面的な協力を約束してきただけに、延期が検討されている段階では言及しにくい事情も働いているのだろう。 村井チェアマンもこう語るにとどめている。 「本年度中なのか、来年なのか、あるいは再来年なのか。どこの日程に延期されるかによって、あらゆる準備が大きく変わってきますので、いまの情報では簡単にお答えできるものではないと思っています」 さまざまな要素が複雑に絡み合うなかで、それでも立ち止まっている時間はない。まずは4月3日の再開目標に対する可否をしっかりと下し、状況が見えないなかで苦しんでいる選手たちへ明確なメッセージを送るために、臨時実行委員会へ向けて必要とされる情報を収集していく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)