迫るデッドライン…Jリーグはいつ再開できるのか?
ならば、Jリーグはどのような動きを見せたのか。J3までを含めた全56クラブの代表取締役社長らで構成される実行委員会を25日に開催し、4月3日に再開できるか否かを意思決定する当初のスケジュールを順守するとした上で、村井チェアマンはこんな言葉を紡いでいる。 「日々刻々と状況が変わっているなかで、長期の見通しを立てることがなかなか難しい状況が続いています。Jリーグとして4月3日、4日、5日の再開を次のタイミングとしてとらえてきましたが、25日の実行委員会における議論でそれが難しいとなれば次は4月18日、その次は5月2日と2週間単位でシミュレーションをしながら、日程の検討を進めているところです」 先の見通しが立たない状況だけが、2週間ごとの再開へのシミュレーションを行わせているわけではない。引き続き徹底した対応を国民へ呼びかけた、19日の政府新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が次回は2週間後の4月2日に開催される。このサイクルに合わせたと村井チェアマンは言う。 「4月2日の政府の会議で例えば自粛要請が出れば、4月3日の再開は難しい。政府の会議の見解を25日の実行委員会までに予見できれば、4月上旬は見送りにして次は18日を検討していく。それが難しければ5月2日、といった段取りになっていくと考えています」 5月2日ならば、水曜日と週末の試合が繰り返される過密日程にはなるものの、デッドラインとして位置づけられていた「4月中旬か、もう少し深いところ」にギリギリで収まる。 しかし、予断をまったく許さない状況が続くなかで、さらに延期された場合にはどうなってしまうのか。 再開へ向けて準備を進めている4つのプロジェクトのなかで、日程調整を担当するチームの責任者を務めるJリーグの黒田卓志フットボール本部長は「そこから先は何をあきらめていくのか、というところになっていくと思います。何らかの犠牲は払わないといけない」と説明する。 犠牲とは例えばYBCルヴァンカップの大会方式変更が考えられる。東日本大震災で長期中断を余儀なくされた2011年も、当初設けられていたヤマザキナビスコカップ(当時)のグループリーグ制度を廃止。トーナメント形式に変えて、延期されたリーグ戦を組み込む余裕を作り出した。