最近増加する「第三者管理マンション」選びで失敗しないための5カ条とは
「第三者管理」とは、新築マンションの管理を外部のプロに任せる方式である。この方式を採用することで、「マンション管理が合理的になり、自由な時間を楽しめる」といったメリットが期待できるかもしれない。しかし、新築マンションを選ぶ際には、多くの人が予算や立地、間取りに関心を寄せ、管理方式については深く考えないことが多い。管理方式は簡単に変更できるものではないため、購入前に「第三者管理」について正しく理解しておくことが重要である。なぜこれが重要なのか、詳しく説明していこう。(住宅ジャーナリスト/山本久美子) ブラック住民がいるマンションを事前に見抜く方法 目次マンションの管理は誰がする? 管理組合の役割とは?理事会の機能不全が外部の専門家に管理を委ねる道を開く管理業務を受託している管理会社は外部専門家の想定外だった管理会社が管理者になるときのルールを整備した2024年版のガイドライン「管理業者管理者方式」でチェックしたい5カ条まとめ
マンションの管理は誰がする? 管理組合の役割とは?
まず、「マンション管理を誰がするか」の基本について簡単に説明しておこう。マンションの住戸を購入した人(区分所有者)は、必ずマンションの「管理組合」に加入する。これは、自分たちがマンションを管理する“当事者”ということだ。 管理組合では合議制でさまざまな事柄を決めていき、「総会」を開いて重要な案件を決議する。ただし、常に全員で話し合うことはできないので、役員を募って「理事会」を組織し、理事会が管理や維持に必要な業務、管理組合を運営するためのお金の管理などをする。 「理事会」には、理事長、副理事長、理事、監事などの役職があり、「理事長」が区分所有法上の「管理者」となって、その管理組合の代表となる。管理組合の銀行口座の名義が理事長名になるのは、こうした理由からだ。 理事会の役員の選び方はマンションによって異なるが、一般的には、任期1年で全員が交代するか、任期2年で毎年半数ずつ交代するかで、あらかじめ順番を決めて(輪番制)持ち回りで選任することが多い。理事会の役員になると、おおむね月1回程度の理事会に出席して、検討が必要な議案について合議していく。 とはいえ、管理組合の組合員は、管理の専門知識があるわけでも、管理業務に専念できるわけでもないので、通常は、「管理会社」に管理業務を委託する。管理会社は、マンションに管理員を派遣して日常の管理業務に当たらせ、理事会や総会などの運営を支援し、管理組合の会計業務を代行する。