W首位決戦でどうなる?!熾烈なセ、パ優勝争いとCS争い
プロ野球が佳境を迎えている。セ・リーグは今日10日から首位の巨人と4ゲーム差で追う2位の横浜DeNAが横浜で直接対決の3連戦。一方、パ・リーグでは、わずか0.5差で、緊迫の優勝争いをしている首位のソフトバンクと、2位の西武が明日11日からメットライフドームで最後の直接対決2連戦を戦う。CS出場権を巡る3、4位の争いもセは広島が直接対決で阪神を突き放したが、パは3位のロッテと4位の楽天が0.5差の戦いを繰り広げていて、まだまだ熾烈。セ、パのペナントレースを占うW首位決戦に注目だ。
巨人先勝でマジック9が再点灯
連敗を6で止め危機を脱した巨人と逆に4連敗で逆転の可能性を遠ざけた横浜DeNAとの直接対決の3連戦。横浜DeNAは、絶対に負けられない初戦にわざわざローテーをずらしたエース左腕の今永を中8日でぶつけ、巨人は、先発転向させたクックを先陣マウンドに送る。 今永は、防御率2.38、13勝の“投手2冠”だが、対巨人には2勝2敗、防御率3.75と相性は良くない。横浜DeNAの先発予定は、第2戦に井納で、第3戦が平良。平良は、対巨人に1勝1敗、防御率2.70と好成績を残しているが中5日登板となる。 一方、巨人は桜井、ルーキー左腕の高橋を予定。巨人は、今季対横浜DeNAに9勝10敗とひとつ負け越していて、8月に入ってからは1勝5敗と分が悪い。また桜井は2戦2敗と対横浜DeNAに勝ち星がない。 両チームは、この3連戦を含めて6試合の直接対決を残しているが、元千葉ロッテで評論家の里崎智也氏は「巨人で決まりでしょう」と見ている。 「直接対決を6ゲーム残していますが、横浜DeNAは、5勝1敗でいっても逆転することはできません。あまりにノルマが大きい。せめて2.5差で3連戦を迎えれば面白かったのでしょうが、巨人は心理的に、そこまで苦しくはない。また優勝ラインを見てみると、なおのこと巨人有利のデーターが出ています」 里崎氏がポイントとするのが優勝ライン。80勝を優勝ラインとするなら巨人は残り16試合を11勝5敗で到達して横浜DeNA、広島は届かない。 横浜DeNAが残り13試合を全勝して79勝、広島が残り11試合を全勝して77勝、つまり優勝ラインが高くなればなるほど巨人が有利になる。 「おそらく77、78勝が優勝ラインになるのでは」と里崎氏。 77勝がVラインとすれば巨人は残りを8勝8敗の勝率5割でいいが、横浜DeNAは11勝2敗の驚異的な連勝が必要になる。 巨人にはエース、菅野の故障リタイヤという痛いアクシデントがあるが、里崎氏は、「ネガティブ要素は横浜DeNA、広島にもあります。横浜DeNAは先発が足りずに3、4番手が弱いし、筒香サードという守りの面での不安もある。広島にしても大瀬良KOのショックがあります。決して菅野がアウトだから巨人がピンチとは言えないのです」と指摘した。 筒香を4番に戻し、2番から36本塁打のソト、27本塁打のロべス、28本塁打の筒香と並ぶ横浜DeNA打線は強力だが、代打陣の層は薄く、勝負どころでラミレス監督が申告敬遠の使い方を間違えるなど、先発陣の駒不足と共に不安要素を抱え、それらが4連敗中に露呈した。巨人は、初戦を取ればマジック「9」が再点灯する。 また3位の広島と4位の阪神のCS争いについて里崎氏は、「阪神との直接対決3連戦を2勝1敗で切り抜けた広島が有利。両者の対戦が残り1試合で3.5差では、阪神の逆転は苦しい状況でしょう」と見ている。