W首位決戦でどうなる?!熾烈なセ、パ優勝争いとCS争い
一方、まったく先の読めないのがパの優勝争いだ。この日、ソフトバンクは苦手とするロッテを相手に“ブルペンデー”が機能せず、注ぎ込んだ6投手中4投手が失点。しかも10四死球を与える大乱調で6-11で完敗し、西武とのゲーム差は0.5となった。 明日からの2連戦は優勝の行方を占う大一番。11日にソフトバンクが勝てばマジック12が点灯。逆に西武が連勝すれば、西武にマジック11が点灯することになる。 里崎氏は「明日からの天王山でソフトバンクはひとつ取ればOK。追う西武は連勝が必須でしょうが、むしろポイントは、この直接対決より、その後のカードの戦い方にあると思うんです。連敗してしまった方が脱落するでしょう」と指摘した。 ソフトバンクは8勝17敗と苦手のロッテとの対戦をすべて終えたが、西武は9勝11敗と分の悪い楽天戦を5試合残している。 ソフトバンクと西武のチームデータを比較すると、チーム打率が.252対.266、チーム得点が540点対695点でソフトバンクの不利が顕著。だがチーム本塁打数では7本ソフトバンクが上回っており、チーム防御率では3.62対4.45と大差がある。 両チームが互いの長所をどう生かすか。 里崎氏は、「ソフトバンクの打線援護がないことが問題とされていますが、今はメンバーが欠けて打てていないという状況ではありません。ひとつ勢いがつけばという可能性も秘めています」という。 また里崎氏は、最終的にソフトバンクの引き分け4試合が影響を及ぼす可能性を指摘した。 「ご存じの通りプロ野球の順位は勝ち星ではなく勝率によって決まります。つまりゲーム差がゼロになっても勝率で順位が決まるため引き分けの数がかなり影響してくるのです。ソフトバンクの4試合に対して西武は1試合しかありません。そう考えると0.5差以上のアドバンテージをソフトバンクが持っていることになります」 現在、ソフトバンクが70勝55敗4引き分けで勝率.560、西武が71勝57敗1引き分けで勝率.555となっている。ゲーム差は「0.5」だが、勝率計算をする際、ソフトバンクと西武の引き分け試合「3」の差が“隠れ貯金”となって影響するのだ。 だが、里崎氏はパの優勝予想をテニスのフェデラーvsジョコビッチに例えた。 「フェデラーとジョコビッチの対戦って、実力はほぼ互角ですから、どちらが勝つかは、その時の試合の流れ次第、コンディション次第です。予想できませんよね。もうソフトバンクと西武の争いはそれと一緒のようなものだと考えています。ただ、今どちらかを予想しろと言われれば、僕は開幕前にソフトバンク優勝を予想しましたので、その信念を曲げないという意味でソフトバンクになるのでしょうが」 また同じく0.5差で争っている3位のロッテと4位の楽天のCS争いについても、里崎氏は、「これもテニスの名勝負と同じでわかりません。ただもう直接対決は1試合だけですから両チームともに上位との残り試合の勝ち負けが大きな決め手となるでしょう」という見方をしている。 “里崎理論”で見れば、ソフトバンクとの全日程を消化したロッテは、西武との5試合、一方の楽天は西武との5試合、ソフトバンクとの2試合の結果がCS争いの行方を握ることになる。