E-クラッチはCB650R/CBR650Rになぜ採用? 次の搭載車はCB1000ホーネット?
CB650RとCBR650Rに採用されたワケ
大型モーターサイクルカテゴリーのゼネラルマネージャーを担当する坂本順一氏によれば、いずれも、「ホンダを代表するオンロードモデルで、常に高性能を提供してきた長い歴史を持つCBシリーズやCBRシリーズに属するモデル」であることがポイントだったといいます。 1959年発売の「ベンリィCB92スーパースポーツ」から始まり、2輪車レース最高峰のWGP(現MotoGPの前身)などで培った技術力を活かし、常に時代の最先端技術を投入してきたのがCBシリーズです。 1969年には、直列4気筒エンジンを持つ世界初の量産二輪車「ドリームCB750フォア」を発売。その後も、1979年発売の「CB750F/900F(輸出車)」など、数多くの名車を輩出し、今では、ホンダを代表するスポーツバイクのブランドとして広く世界に根付くまでになっています。 一方、1980年代には、さらなるスポーツ性能を求めるライダーに向けて、レーシングマシンの性能をよりダイレクトに反映したCBRシリーズが誕生。1990年の「CBR400RR」など、国内でも大きな人気を得たモデルを数多く生み出してきました。 特に、現在のCBRシリーズでは、1992年に登場した「CBR900RR(輸出車)」の開発コンセプトを継承。操る楽しみの最大化を意味する「トータルコントロール」という思想に基づき、1000ccの「CBR1000RR-Rファイヤーブレード」から250ccの「CBR250RR」まで、さまざまな排気量のフルカウルスポーツが登場しています。 坂本氏によれば、そうしたCBやCBRシリーズの中でも、CB650RとCBR650Rは、2019年の登場以来、日本や欧州などグローバルで「年間約3万台」を販売し続け、ベテランはもちろん、初心者や女性ライダーなど、幅広い層に支持されている人気車種だといいます。 おそらく、筆者が愛車に感じているのと同じく、街乗りからワインディング、高速道路など、さまざまなシーンで乗りやすく、軽快な走りを楽しめることを、世界中のライダーも実感しているのでしょうね。 そして、そうした2機種にホンダダE-クラッチを最初に搭載したワケは、従来のファンはもちろん、世界中の幅広い年齢層やスキルのライダーに、よりバイクを楽しく、末永く乗ってもらうことが目的なのだといいます。