辻回しに堀川沿いの柳…祇園祭、歴史ひもとく展示
京都文化博物館(京都市中京区)で、懸装品や江戸時代の史料などから山鉾巡行の歴史をひもとく展覧会が開かれている。 【動画】祇園祭の前祭・山鉾巡行(2023年)
「保昌山」の背面につり下げられていたと伝わる幕「仙人図」(縦1.15メートル、横1.26メートル)が昨年の修復後、初お目見え。縫い合わせた3枚の織物に、道教の神「寿星」、8人の仙人、天を舞う女神「西王母(せいおうぼ)」が刺しゅうで彩られている。16世紀前半の制作とみられ、現存最古級の懸装品という。
交差点で鉾が方向転換する辻(つじ)回しの変遷を紹介する写真も展示。道路に竹を敷き並べて水をかけ、鉾の車輪を滑らせる方式になったのは昭和40年以降で、舗装前は柳の木が使われていたことを伝える。車輪の重みで木が土に沈んで樹皮がむけ、滑りがよかったためで、当時は巡行に向けて堀川沿いの柳を取ることが許されていたという。
橋本章・主任学芸員は「あまり知られていないような祇園祭の豆知識や歴史を楽しみながら見てもらいたい」と話している。
8月4日まで。午前10時~午後7時半。一般500円など。高校生以下は無料。原則、月曜休館。