Amazonのスマートホームセキュリティ「Ring」の有料プランが11月5日に一新! その機能と狙いは?
アマゾンジャパンのショールームで実演
新プランの説明が一通り終わると、アマゾンジャパンの瀬口氏が新プランで提供される新機能のデモンストレーションを行った。 今回の説明会はアマゾンジャパンの本社内にある「スマートホームセンター」と呼ばれる部屋で実施された。この部屋は実際の家屋を模して作られており、その名の通りアマゾンジャパンが自社で取り扱う「Amazon」「eero」「Ring」ブランドのスマートデバイスと、それらと組み合わせられるスマート家電を実際に試せるショールームとなっている。 このセンターの玄関部分には、「Ring Doorbell Plus」が、それぞれの部屋には各種Ringカメラが設置されている。 スタッフがドアベルを鳴らすと、瀬口氏が手にするスマホに電話のような通知が表示された。応答ボタンをタップすると、ドアベル前の人と会話できた。 また、Ringカメラ(今回はRing Doorbell Plus)の前で動きが検知されると、スマホにアニメーションGIF付きのプッシュ通知が表示された。これなら、会議中であったとしてもスマホに目を落とすだけで何が起きているかすぐに分かるだろう。 なお、Ringデバイスは、サブスクリプション契約を結ばなくてもライブ通知などの機能を使える。しかし、クラウドへの録画機能などを使う場合は、サブスクリプション契約が必須だ。瀬口氏は「AWSをサーバーとして使うからこそ、(サブスクリプションサービスの)低価格が実現している」と解説する。
「何が起きるか分からない」からこそ、常に見守れる環境を構築したい
今回の説明会に合わせて来日したRingのワード氏は、「10年以上前に米サンタモニカでRingを立ち上げてデバイスを開発したのは、自分たち家族と近隣住民の安全を守るためだった」と開発経緯を説明した。起業当初の根幹は、今も変わっていないという。 Ringは現在、米Amazon.comの傘下にある。ドアベルに始まり、インドアカメラ、屋外カメラ、照明付きカメラなど、現在では約50種類のデバイスを約30カ国で展開している。セキュリティだけでなく、ユーザーそれぞれが自分たちなりの使い方を発見し、再定義しているという。 例えば、ユーザーがさまざまな使い方をする中で、「自分たちの近況や日常のハプニングなどの瞬間を、映像として親しい友人や離れた場所に住む家族とシェアすることで“思い出”として残すことがトレンドになっている」とワード氏は語る。 「ユーザーが発見した使い方に寄り添いたい。そんなニーズをさらに満たせるものを提供したい」という考えをより具体的に表現しているのが、「Keeping people close to what's important(『今』を想う。Ringでつながる)」という新しいミッションだ。 新しいRing Homeに実装された24時間連続録画や連続視聴ライブ映像といった機能は、このミッションを“体現”すべく生まれたのだという。 クラウド保存するという特性上、ユーザーが気にするプライバシーについては「十分に配慮したソフトウェア開発をしている」という。アプリ内で録画をしない時間やエリアなどを設定できるようにしているのは、その一環だ。 日本におけるRingデバイスの販売は2022年に始まった。その翌年(2023年)には、売り上げが前年比で70%伸びたという。 ワード氏は米国内でユーザーから提供された「Ringのドアベルのおかげで強盗を撃退できた」というビデオを流しつつ、「悲しいことに、日本でも郊外において強盗事件が増えつつある。近隣の安全を守りたいという思いから始まったRingデバイスを、今こそ役立ててもらいたい」と訴える。 Ringのデバイスやサービスでは、AI(人工知能)も活用されている。今後も「AIは2016年から使っているが、まだまだ伸びしろのある分野なので、これからも積極的に取り組んでいきたい」という。 最後に、ワード氏は次のように抱負を語った。 「これまでの10年では、Ringとしての象徴的なハードウェア構築に力を入れてきた。これからの10年はあなたの大切なもの――家族、ペット、車などとつながれるような開発をしていきたい。Ringを通じた比類のないビデオ体験により、それを可能にしていきたいのです」
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