Apple Vision Proを快適にするためにしたこと(西田宗千佳)
Apple Vision Pro(以下Vision Pro)を購入して1カ月以上が経過した。「飽きて使わなくなった」という人もいるようだが、筆者はほぼ毎日、便利に使っている。 Apple Vision Proの純正ケース 仕事自体も、Mac+物理ディスプレイ6に対してMac+Vision Proが4、くらいの比率で利用している。 そういう風に使うとなると、仕事環境や周囲の配置自体も、Vision Pro向けの最適化が必要になってくる。 今回はどんなことをしたのか、ちょっとまとめてみたいと思う。 「環境を整えてまでVision Proを使わなくても」という人もいるかもしれない。 でも、それはちょっと斜にかまえすぎだ。 現状、どんなXR機器でも「誰にでもバチピタ」「常に最適」というわけではない。スマホですらアクセサリ市場があるのだ。属人性の高いXR機器向けにはもっと必要になる。 だが、現状、Vision Proはユーザーも少ないので情報も少ない。だからここでまとめてみたいと思ったのだ。
純正ケースから「チョークバッグ」へ
まずは「持ち運び用ケース」から。 流石にだいぶ依頼は落ち着いてきたが、2月中は「記事依頼と写真撮影をセットで」という媒体からの依頼や、「つけながら話を」という講演・イベントの依頼、個人的なものも含めた「体験依頼」などが多数寄せられた。 当然そうなると、Vision Proを持ち運ぶ機会も増えるので、ケースも必要になる。 発売時には「縁起物」のつもりで純正のケースも買っておいた。確かにこれは見栄えも非常によく、しっかりしている。さすが199ドル。 ただ、あまりに大きい。鞄の中に入れて持ち歩くのは大変だし、これだけを外に出して持ち歩くにも若干不便だ。 「専用」などと謳って販売されているものは、ほとんどがMeta Quest向けのもの。それはそれで悪くないが、正直、デザイン的にイマイチなものばかりだ。 というわけで「別のジャンルでなにかないか……」と考えて思いついたのが「チョークバッグ」だ。ボルダリングなどのクライミングスポーツで、指の滑りを防ぐためのチョークを入れておく小さなバッグで、巾着的な形状のものが多い。チョークバッグ、実はスマートフォン登場以前には「小さいモバイル機器を入れるケース」としては定番だったものだったりもする。 今回の場合には横幅が大きくなるのでちょっと難しいかな……と思ったのだが、ぴったりのものがあった。 スイスのアウトドアブランドであるMAMMUTの「Boulder Chalk Bag」だ。チョークだけでなくいろんなものを入れる前提で、大きめのサイズになっている。価格は公式ストアで4180円だった。 これの場合、バンドを外して入れると、アクセサリーも含めてすっぽり入り、純正バッグの半分ほどのスペースで収まる。そして、入れ口を閉じるとちょっとしたハンドルのように持ち運べるのもいい。 世の中的には「お弁当入れ」という感じがしなくもないが、これなら鞄にも入るし、飛行機内などでこれだけを外に出して使うのも楽そうだ。 Vision Proだけでなく、他のHMD向けにも使えるバッグかと思う。