Apple Vision Proを快適にするためにしたこと(西田宗千佳)
紆余曲折の「バンド」はスポーツ用バンドで解決
Vision Proで割と問題になりやすいのが「顔への締め付け」だ。「ライトシール」と呼ばれるパッドで押さえる構造なので、強く締めると顔が痛くなる。一方、重量はそこそこあるので、ガッツリ締め付けたくなる気持ちもわかる。 バンドが頭にフィットしているとそこまで締め付けなくてもいいので、巷で言われるほどきつくはない。ただそれでも、顔への負担は小さい方がいいのは間違いない。 この辺、頭への配慮はどのXR機器でも出てくる話で、アクセサリーも多い分野ではある。まあ、Vision Pro向けはまだないが。 ではどうするか。 一般には、「頭の後ろに重量を持ってきてバランスをとる」パターンや、「帽子につけるアダプターを使い、ライトシールを外してしまう」パターン、そして「上にバンドをつけて頭頂部で支える」パターンが目立つ。 どれもやってみたが一長一短だ。 頭部の後ろに重量を持ってくるパターンは、全体のバランスのためには良い。 一方で、バランスをとった上でちゃんと「支える」には、頭全体でうまく重量を分散する必要が出てくる。Meta Quest 3用の別売バンド(BOBOVR M3 Pro)を使う方法だとしっくりこなかった。全体が重くなりすぎること、つけ外しが非常にめんどくさくなることなどが理由だ。 他にもうまくやるアイデアもあるのだが、まだ試してはいない。 帽子を使うパターンは一瞬快適にはなるが、前が重くなりすぎて帽子だけでは支えづらい。私の頭と帽子にはフィットしていなかった感じがする。 迷った結果、「どうなのかな……」と半信半疑で試してみたのが、在米のエンジニア・あるしおうねさんがSNSで公開していた方法だ。 安価なスポーツ用のヘッドバンドをつけるだけ。コストは数百円以内で済むし、特別な作業もいらない。 これで行けるのか、確信が持てないまま試してみたら……バッチリだった。顔への負担がグッと減って快適になった。 要はこれ、顔にかかるべき重量をヘッドバンドでさらに分散することで、締め付けをさらに緩めても頭にしっかりとフィットする、という理屈である。 かぶる時にちょっとだけコツがいるが、慣れてしまえばスッと装着できて、負担もない。 あるしおうねさんと同じUnder Armourのヘッドバンドも試してみたが、筆者には少し圧力が強い感じがした。 そこで、Amazonにて3本980円で売っていた、安くて幅広のバンドにしてみた。筆者にはこっちの方が合うようだ。 ただ、どうみてすぐに傷んでダメになりそうな作りではある。3品セットだったので「予備がもう2つある」と考えておくことにする。