人形遣いが楽しく語る文楽の魅力と思い 文楽劇場へ潜入
文楽の観かたもいろいろ
そんな伝統芸能に携わる幸助さん。筆者は正直、勝手ながら文楽に「固いイメージ」を持っていたが、まるでテレビショッピングのように流ちょうかつ、ユーモアを交えながら人形の動きを説明する姿に、身近さを感じる。
また「文楽は全部観て頂くのに5000~6000円かかりますけど、1つの公演の中で例えば『1幕だけ』『2幕だけ』観るということもできるんです(幕見)。そしたら1000円とかでも観られるわけです」と説明してくれた。最近では、世界各地からの観光客が気軽に観に来てくれるケースも増えているという。 さらに「劇場のいすも1月から新しくなってゆったり観られるようになりました。なんやったら寝られるくらい」と、他の演者が知らない情報までも明るく説明してくれる幸助さん。だが、人形遣いとして約35年にわたり積み重ねてきた努力は「(みなさんそうですが)相当なもの」と職員らは口にする。 長きにわたる伝統を受け継いでいきたい、多くの人に文楽を観てほしい。文楽のことを詳しく知らない筆者にも、動きの一つひとつをていねいに、そしてずっと笑顔で教えてくれる姿には、そんな思いも垣間見える。 「文楽は大阪発祥なので、ぜひ気軽に観に来て頂ければ」。幸助さんは、きょうも気合い十分に舞台で演じている。