日大が記者会見 前理事長逮捕受け(全文6完)このままでは社会から取り残されてしまう
職員への聞き取りなどを踏まえた結果か
共同通信:共同通信の【モリヤ 02:17:25】と申します。調査チームの関係でちょっとお伺いしたいんですけれども、第1事件については中間報告がまとまっていて、第2事件や、所得税法違反についても調査中というふうに理解しているんですけれども、現時点で、どういう調査をされてきたのか。先ほど設計事務所に聞き取りという話もありましたけれども、これまでどういう調査をされてきたのか、今まさにしているのかというところと、あと先ほど第1、第2の背任事件について、大学とか事業部の職員に共犯性を認定できるような職員の方がいなかったというのもあったと思うんですけれども、これは調査チームとして、例えば当該の職員の方の聞き取りとか、そういうことを踏まえた結果というふうに理解してよろしいんでしょうか。 熊谷:私からでよろしいですか。 加藤:はい、どうぞお願いします。 熊谷:調査チーム熊谷ですが、調査内容としましては、背任事件という特徴に鑑みまして、まず第一に、本来は行為者、井ノ口氏ですね。これの聞き取りというのが必要なんですが、逮捕、拘留されて接見禁止が付いておりましたので、こちらからの直接の事情聴取というのはできませんでした。 そこで、それに関連する周囲の、特にこの病院建て替えに関しましては、病院建て替えに関わった本部側の人間がかなりおりますので、その者へのヒアリングを行っております。ヒアリング対象の人数と回数ですが、ヒアリング対象は30名を超えております。回数は100回を超えております。電話聞き取り等も含めれば、もう数十回増えておりますが、そういったことで職員に対する、まず事情聴取ですね。それから、証拠書類関係の精査ということも行っております。
共犯性が認められないという結論に
先ほど申し上げました、病院建て替えの背任の中心となったリベートの支払い行為、これを行った設計会社に関しても、最終的には起訴後に事情聴取をすることができました。また、井ノ口氏に対しては、保釈後ではありますけれども、弁護人を通じて事実関係についての確認を行って、弁護人から回答書を得ております。一方、籔本氏については調査を行いましたが、弁護人から守秘義務を理由として回答を拒否されております。以上です。 あと共犯性ですね。共犯性に関しましては、背任行為の中心であるプロポーザルの、第1事件の話ですけれども、プロポーザルの手続きの中で、点数の改竄というのが行われました。これは、後ほど公開する中間報告1の要旨の中に詳述してありますが、点数の改竄行為について、井ノ口氏から指示を受けた者が、大学関係者で3名おります。 その者についての共犯性の調査を行ったということでして、結論的には指示を受けて改竄行為を行っているので、1名は大学の理事でもありましたので、大学に対する直接の善管注意義務違反という問題になりますし、残りの2名は従業員でしたので、就業規則違反の問題が起きるわけですが、背任の成立要件との関係では、いわゆる主観的要件である背任の行為と、それから図利目的ですね。利益を図る図利目的が欠けるという認定になりまして、共犯性が認められないという結論に至っています。以上です。 共同通信:100回というのは、延べでしょうか。 熊谷:延べです。 共同通信:ありがとうございます。 司会:そのほか、ご質問ございますでしょうか。そちらの方。お願いします。