「作家の特権」で皇族の物語に血を通わせる 林真理子さん新刊「皇后は闘うことにした」
大正期に花開いた文化についても、「わりと言いたいことが言える、良い意味で女性的な文化だった」と感じるという林さん。「大正生まれの私の母親も、『一番楽しかったのは大正の終わりから昭和の初期だ』と言っていました。子供のための本や歌がいっぱい作られて、中産階級が成熟した時期でもあった」とみている。
現代の皇室でも、女性皇族が果たしている役割の大きさを痛感している。「戦後は美智子さまがスーパースターで、今は愛子さまの人気がすごい。皇室の人気を左右するのは、女性の方々ではないでしょうか」
林さん自身も令和4年に母校の日本大の理事長に就任し、「大学の顔」として記者会見などに臨む機会が増えた。
「私の場合はたいそうなものではないんですが、やはり責任ある立場は大変だなと。現代の皇族方も、本当に国民のために、たとえつらいことや理不尽なことがおありでも、ちゃんと責任を全うしようという方々だと思います」(村嶋和樹)