賛否両論…浦和レッズが「リモートマッチ」横断幕掲出禁止措置に反対を表明…安全優先のJリーグ判断は筋が通っている?!
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2月下旬からすべての公式戦を中断してきたなかで、Jリーグは再開へ向けてさまざまな会議や会合を開催してきた。そのなかで各クラブの運営担当者との会議で複数回、長時間にわたって議論されてきたのが、最後の手段として位置づけられてきた無観客での開催が実施された場合の、ファン・サポーターによる横断幕の扱いだった。 運営担当者会議では、最終的に一定の制限を加えた方がいいという判断が下された。ただ、一連の話し合いでレッズの運営担当者はファン・サポーターの想いを背負い、再開される公式戦をともに戦いたいという理由で、横断幕の掲出を許可してほしいと訴え続けてきた。 こうした経緯に対して、Jリーグの村井満チェアマンは「一定の理がある」とレッズの姿勢に理解を示した。迎えた9日の実行委員会の最後になって、村井チェアマンは実行委員による議論を提案。そこでも禁止が支持され、最終的に同チェアマンが承認した経緯がある。 一夜明けた10日にオンラインでの取材に応じた立花社長は、実行委員会の席でも終始一貫してレッズの主張を展開し、最後まで反対した舞台裏を明かしながらこんな言葉を残している。 「プロ野球の埼玉西武ライオンズは、ファンの方々が作った旗を試合中に掲出する話になっています。そのような話も含めていろいろと提言しましたが、認められませんでした。ファン・サポーターの命でもある横断幕を掲げる無観客試合であってほしい、という思いを私はいまでも抱いています」 15日付で提出された2つの文書には、レッズのあきらめ切れない思いが反映されていた。特に原副理事長に宛てられた反対文書の後半部分では、感染リスクを理由に導かれた今回の結論に対して「日本サッカーの将来を憂います」と、さらに強く踏み込んで持論を展開している。 「感染リスクを大きく軽減する手段があるにも関わらず、リスクを前面にファン・サポーターの想いから背を向けるようなJリーグの判断に、日本サッカー界の未来に不安を感じます」