賛否両論…浦和レッズが「リモートマッチ」横断幕掲出禁止措置に反対を表明…安全優先のJリーグ判断は筋が通っている?!
16日には臨時実行委員会がウェブ会議形式で行われ、最後に立花社長が一連の文書を提出したことを報告した。終了後にオンラインのメディアブリーフィングに臨んだ村井チェアマンは、サポーターの申し入れ、思いを「善意がある心だと思っています」と尊重した上で、禁止とした理由をあらためて説明した。 「ファン・サポーターの方々がスタジアム内で、掲出作業を複数人で行ってしまえば、そこで密接な状態が起こるかもしれません。多くの方々が触れた横断幕を、消毒するのも大変な作業になります。(ホームクラブが預かって掲出する場合も)ファン・サポーターの方々からクラブのスタッフが受け渡しをするときに、そうした(感染の)リスクを伴うこともあるのではないかと考えています」 ファン・サポーターの存在はサッカー界にとって宝である、とするレッズの主張をもちろんJリーグも共有している。その上で横断幕掲出禁止は再開後の2節に、レッズの場合はマリノス戦だけに限定された措置であり、5000人を上限に観客を入れる予定の来月10日以降、そして収容人員の50%を上限とする8月1日以降の試合では、掲出時に密にならないことなどを条件に横断幕も容認される予定だ。 まさに断腸の思いで、リモートマッチから新たな感染者を出さない、という安全管理の観点から厳格なプロトコルを適用した。ただ、村井チェアマンはこんな言葉をつけ加えることも忘れなかった。 「リモートマッチは数試合で終わるかもしれませんが、第二波、第三波が来たときにはおそらく新たなリモートマッチの必要性に迫られる可能性もあるので、状況が一定程度収束した段階で、クラブを思うサポーターの気持ちにはしっかりと耳を傾けていきたいと考えています」 実行委員へ宛てた提言書でも、レッズは「ファン・サポーターの想いも背負って、一緒に歩んでいければと考えています」と持論を伝えている。ただ、ファン・サポーターが事前にスタジアムに入場して掲出する作業が実質的にNGとなった時点で、横断幕を消毒する作業を含めて、スタッフの数にかなりの余裕のあるクラブしかリモートマッチでの掲出に対応できなくなったと言っていい。