「こんなのノーサイドじゃない」立憲・野田新代表の“刷新感”体制に党内から不満の声
■「ノーサイドじゃない」くすぶる不満
しかし、野田新代表の人事をめぐって、党内では早くも不満の声があがっている。代表選に立候補した枝野氏、泉氏、吉田氏を起用しなかったことや、代表選で野田氏を支援した議員が多く登用されているという指摘が相次いでいるからだ。 今回、発表・承認された党役員9名のうち、少なくとも5名が野田氏を支援した議員であり、あるベテラン議員は「完全な論功行賞人事で、挙党一致にはならない」と批判する。 また、別の中堅議員は「枝野氏、泉氏、吉田氏との関係が見えない。自分の陣営だけで固めたような印象は拭えず、挙党態勢にひびが入らないか心配だ」と声をひそめた。 両院議員総会に参加したある中堅議員は、配布された人事案を見てこう感じたという。「こんなのノーサイドじゃない」。 中でも不満を募らせているのは、代表選で枝野氏を支援した、リベラル系の党内最大グループ「サンクチュアリ」だ。サンクチュアリに所属するある中堅議員は、野田氏の色が強い体制をみてこう語る。 「野田氏と枝野氏は決選投票で、国会議員票は9票差だった。国会議員においては支持が拮抗しているのに、この人事は口だけのノーサイドでしかない」。 サンクチュアリには約30人の議員が所属しているにもかかわらず、人事が発表・承認された両院議員総会に来ていた所属議員は少なく、拍手もまばらだった。その雰囲気を察してか、新人事の発表は新役員の挨拶もなくわずか5分ほどで終了し、あまりの短さに会場がどよめいたほどだ。 この人事で、野田氏が掲げる「ノーサイド」という党内融和と、演出しようとした刷新感の両立を図れるのか。野田新代表は早速、難しい舵取りを強いられている。