NBAファイナルの視聴者数がMジョーダン以来の過去最高を記録した理由とは
ゴールデンステート・ウォリアーズが4勝1敗でクリーブランド・キャバリアーズを破って2年ぶり5度目の優勝を飾り2016-17シーズンを終えたNBAのファイナル。 調査会社ニールセンによると、NBA史上初となる3年連続同じチームの顔合わせとなった同シリーズは、マイケル・ジョーダンがブルズのメンバーとして最後の優勝を果たした1998年以来の視聴者を集めたという。 米バラエティ誌の公式ホームページがニールセンから得た情報によると、同シリーズの1試合平均視聴者数は約2,040万人。勝負が第7戦までもつれ込んだ昨季の1試合平均視聴者数2,020万を超えた。この数に含まれないデジタル・ストリーミングでの視聴者は1試合平均43万4,000人だ。 NBAでは、ジョーダンが1998年にブルズで2度目の3連覇を果たしたジャズとの王者争いをピークにファイナルの視聴率が低迷していた。 実際ジョーダンの時代が終わったあとでもコービー・ブライアントやケビン・ガーネット、ビンス・カーター、アレン・アイバーソンとスターは止まることなく現れ、レブロン・ジェームズやドウェイン・ウェイドら多くのスターを生み出した2003年ドラフト世代へと続いた。 ブライアントとシャキール・オニールの2枚看板で2000年から3連覇を遂げたレイカーズと身長180cmながら爆発的な得点力を持つアイバーソンのシクサーズが対戦した2001年のファイナルでは、そこそこ視聴率を盛り返した。しかし有能な選手はいても人気選手という面でインパクトに欠けたスパーズとネッツの2003年のファイナル(スパーズが勝利)、ジェームズにとって初のファイナル進出でスパーズとの力の差が大きく4戦でスウィープされた2007年のファイナルでは視聴者の関心を落とした。 しかしウォリアーズとキャバリアーズが対戦したここ3年は、1998年とまでは行かないながらも視聴者を増やしている。特に今年は第1戦と第2戦でウォリアーズが大勝し、シリーズの行方が見えていたにも関わらず、これだけの関心を集めたのは興味深い。 その理由の一つに今のNBAを代表するスターが、この2チームに多く集まっていることが挙げられる。 まず、今年のオールスターのスターターのうち、西カンファレンスのステフィン・カリーとケビン・デュラントはウォリアーズ、東カンファレンスのジェームズとカイリー・アービングはキャバリアーズ。また西カンファレンスのリザーブにドレイモンド・グリーンとクレイ・トンプソン、東カンファレンスのリザーズにケビン・ラブと計7選手がオールスターに選ばれている。