NBAファイナルの視聴者数がMジョーダン以来の過去最高を記録した理由とは
ファン投票のみで見るとジェームズ、アービング、デュラント、カリーは、各カンファレンスの各ポジションでトップ得票。リザーブのラブは東のフロントコート部門で4位、グリーンは西のフロントコート部門で5位、トンプソンは西のガード部門で4位と上位につけている。またNBAが発表した今季レギュラーシーズン中のジャージーの売上げランクは、トップがカリー、2位がジェームズ、3位がデュラント、5位がアービングとトップ5のうち4人が両チームからの選手だ。 もちろん過去2年もファイナルに勝ち進んでいるという実績が人気を後押ししている理由でもあるが、ウォリアーズとキャバリアーズの戦いというのは、それだけの人気選手が揃ったカードでもあった。 実力を見てもそうだ。 過去5年のシーズン最優秀選手(MVP)は、過去2シーズンがステフィン・カリー、その前の2013-14シーズンは、ケビン・デュラント(オクラホマシティ・サンダー所属時)、2011-12と2012-13シーズンはジェームズ(マイアミ・ヒート所属時代)と両チームで総ナメ状態。ジェームズは2008-09、2009-10シーズンにもMVPを獲得しており、それを含めると過去8シーズン中7度の受賞が両チームからの選手ということになる。ちなみにアービングは2012年の新人王だ。 それだけの戦力が集まった両チームは、ファイナルまでウォリアーズが無傷の12連勝、キャバリアーズは東カンファレンス決勝の対セルティックス第3戦で負けただけの12勝1敗と各カンファレンスを圧倒しての王者争いだった。 また昨季キャバリアーズが1勝3敗から3連勝して大逆転優勝したことは、今年視聴者の関心を引いた大きな理由のひとつになるだろう。 一昨季40年ぶり4度目の優勝を遂げたウォリアーズは、ほぼ戦力を変えずに昨季に突入し開幕24連勝するなど、ジョーダンがいた時代のブルズの1995-96シーズン(72勝10敗)を抜いてNBA史上最多記録となるシーズン73勝(9敗)を樹立。同シーズンのブルズがそうであったように、昨季も自動的にウォリアーズが優勝するものだと思われていた。 多くの予想通りシリーズは第4戦を終えた時点でウォリアーズが3勝1敗と2連覇に王手をかけた。 ところが、キャバリアーズは敵地2試合を含む残りの3試合で3連勝して1勝3敗から王者を勝ち取った史上初のチームとなったのだ。その記憶があるだけに、今季いくらウォリアーズが優勢になろうとも「シリーズは終わるまでわからない」という興奮感を視聴者に与えたのは確かだ。