55歳の旅行ジャーナリストが語る「50代の今から始めたい旅テーマ」推し活・絶景・新たな挑戦…その理由とは?
【新たな挑戦】アドレナリンで身も心も若返る~オーストラリアで熱気球
年齢を重ねると、体力や気力が続かず、旅計画も保守的になりがち。私は仕事柄、自分の意志とは関係なく、新しい挑戦をする機会が多くあります。好奇心は旺盛ですが、体を考えると少し気が重いことや、不安に思うことも最近は正直あります。ところが、いざ挑戦すると、新しい世界にアドレナリンがでるのが自分でわかるほど心がときめき、挑戦を終えると、世界が広がった清々しい気持ちになります。 先日はオーストラリアのケアンズに視察で訪れ、大自然を舞台にさまざまな体験をしてきました。中でも「次はいつ?」というぐらい感動してリピートを決めているのが熱気球。 熱気球は早朝の気流が安定した時でないとフライトができないため、ホテルのロビー集合は午前3時50分。そして熱気球は、どこから出発して、どこへ到着するかは、その日の天候次第。飛び立った後は風まかせで、GPSで場所を確認しながら、いくつかある到着ポイントを選んで着陸します。地上で受け入れるスタッフも、連携して車を走らせる……まさに自然まかせのアドベンチャー。 時には高度を下げてカンガルーやワラビーを空から眺めたり、地上300m地点から遠くの景色を楽しんだり。1時間のプライスレスな時間はあっという間に過ぎ、終了後は気球を参加者で畳むまでが体験。その後は用意されたシャンパンで乾杯!時計を見ればまだ7時過ぎ。朝から充実したひと時になりました。 同じくオーストラリアのケアンズでは、世界遺産の熱帯雨林「モスマン渓谷」でSUPにも挑戦。「体力的に大丈夫かしら?」と不安でしたが杞憂でした。太古から続く手つかずの自然の中で、川の流れに身を任せのんびりと、あるいは立ち上がってバランスをとりつつパドリングをすれば「私、まだまだがんばれる!」と自信が湧いてきます。 最近気がついたのですが、SUPやカヤック、トレッキングなどのアクティビティは、ツアー受け入れの上限年齢が決まっているものがあります。日本国内では60歳~65歳ぐらいから安全面から初心者の受入をしないところが増えてきます。「やってみたい!」と思ったら早めにチャレンジを。 いかがでしたか? 3つに共通しているのは、旅での経験を通じて人生や日常が楽しくなること。子育てが終わると、次は親の介護が気になる年代へと差し掛かります。自分ファーストで過ごせる期間は有限です。有意義に活用をしてパワーチャージをしてくださいね。 ◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん 旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを務めた。トラベルナレッジ代表。旅ブログも行っている。