エヌビディア株上昇、時価総額でマイクロソフトを破り「世界2位」に復活
米半導体大手エヌビディアの株価は10月7日、他の主要なハイテク大手の株価が下落する中で上昇し、時価総額で世界2位のポジションを取り戻した。 同社の株価は、米東部時間7日午後の市場で約4.2%上昇し、8月26日以来の最高値の130.64ドルを記録した。エヌビディアの時価総額は3兆1300億ドル(約463兆円)に達し、6週間ぶりにマイクロソフト(3兆400億ドル)を上回り、世界2位に浮上した。同社は現在、時価総額が3兆4000億ドルのアップルに次ぐ企業となっている。 一方、7日の株式市場では金利と原油価格の上昇によって幅広い銘柄に売り注文が押し寄せ、S&P 500は0.96%下落した。エヌビディアを除く時価総額が1兆ドル以上のハイテク大手5社の株価は、いずれも下落し、アップルは2.25%安、マイクロソフトは1.57%安、アルファベットは2.44%安、アマゾンは3.06%安、フェイスブックの親会社のメタも1.87%安を記録した。 大規模言語モデル(LLM)などのハイエンド用途向けのカスタムAI技術を手がけるエヌビディアの株価は、同業であるスーパー・マイクロ・コンピューターの7日の発表にも後押しされて上昇した。同社は、エヌビディアのGPU(画像処理半導体)とともに展開される液体冷却プロダクトの四半期の売上が堅調だったと報告している。 さらに、アナリストからの強気なコメントもエヌビディアの株価を押し上げた。Melius Researchのアナリストのベン・ライツスは、エヌビディア株が「まだ非常に良好だ」と述べて、マイクロソフトやアルファベット、OpenAIなどからの「強いAI投資」が、同社のGPUの売上の拡大を促進すると分析した。 エヌビディアのCEOのジェンスン・フアンも、同社のAI製品の需要が「非常に大きく驚異的だ」と述べており、その需要に対する楽観的な見方が続いている。 エヌビディア株の9月6日以降のリターンは、26%に達しており、同期間のS&P 500の6%の上昇や1兆ドル規模の5社の平均の7%の上昇を大きく上回っている。同社の時価総額は、6月に史上最高値の140.76ドルをつけた際に、世界最大となっていた。エヌビディアの時価総額は、過去2年間で10倍に増加した。 ファクトセットが追跡するアナリストの平均予想によると、エヌビディアの10月末までの四半期の調整後利益は、219億ドル(約3兆2000億円)に達すると見込まれている。これは、前年同期比で80%以上の増加で、2022年の同期間からは1000%以上の急増を意味する。
Derek Saul