転倒と足の痛みを予防するエクササイズ【40歳から始める! 健康寿命を延ばす「手力・足力」!④】
40歳を過ぎた頃から「外反母趾がひどくなった」「タコやウオノメができるようになった」という人は要注意。足まわりの筋力が低下している可能性大! 将来、寝たきりになりたくなければ、今から足まわりの筋力を鍛えることが重要だ。その方法について、理学療法士で東京都健康長寿医療センター研究所・研究部長の大渕修一さんに伺った。
足指や足裏・甲をしっかり動かして筋力アップ!
年齢とともに足の靭帯が硬くなるのを防ぐストレッチを連載第3回で紹介したが、足まわりでもうひとつやってほしいのが足の固有筋肉のトレーニングだ。足には、足の構造を正常に保つための足の中を縦横無尽に走っている小さな筋肉がある。この筋肉のトレーニングも重要だ。 「このような筋肉は、足の構造を維持するために重要な筋肉で、バランスをくずしたときなどにもよく活動します。しかし、高齢期は関節が硬くなること、飛んだり跳ねたりバランスを必要とする活動をしなくなることから、どうしても筋萎縮が進みがちです。あるいは、ハイヒールなど、正常な足の動きを阻害する靴なども筋肉の活動を低下させます。 また、この小さな筋肉は路面の状況を脳に伝えるセンサーの役目を担っていますから、転倒を回避するためにも重要です。寝たきりの主要な原因に転倒があります。小さな筋肉のトレーニングですが、将来の寝たきりを予防することにもつながるでしょう(※詳しくは第2回<エクササイズが続く人、続かない人、その違いとは?>参照)。 こうした足まわりの筋力を維持するためには、足指や足首、足裏や甲を積極的に動かすことが大切です」(大渕先生)
ふたつの足エクサでバランスアップの基礎を作る!
「そのためにおすすめなのが、このふたつのエクササイズです。ポイントは足の握力を高めることです。足の握力が強いほうが、体のバランスを保つ能力や歩行速度が上昇することがわかってきました」 【足指グーパーエクササイズ】 1 椅子か床に座る。椅子の場合は片足を軽く床から浮かせて、床の場合は両脚を前に投げ出す。