「食育」の第一歩は「食事を楽しむ」こと!進んで食べる子になる会話術
保護者のかた自身も食事を楽しんで
また、お子さまと食事を共にする保護者のかたは「自分が楽しく食べる」という意識も大切です。特に食事を作っていると、お子さまが食べなかった場合に、つい落ち込んだり、怒ってしまったりすることもありますよね。「子どもが食べないのは料理がイマイチなせい?」と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。 でも、多くの子どもは食べムラがあるもの。食べることは毎日毎日続くことなので、1回の食事で判断しないようにしましょう。前回の記事(「食べ残しをする子どもに『もったいないお化けが』はNG!?4つの理由と対応方法」)でご紹介した「食べない理由」に応じた対応がとれているなら、「あまり食べなかったけど楽しく食事してたからいいや」「今日は食べてないけど、明日食べれば大丈夫」とゆったり構えていれば大丈夫。 「子どもが食べないから……」と料理の腕を磨こうとしなくてよいのです。料理を手作りすることにこだわる必要もありません。保護者のかたは食事の楽しさの基準を子どもに置かず、自分に置いてください。保護者のかたが楽しんで食べていれば、お子さまもより楽しい気持ちで食卓についているはずですよ。
楽しい食卓をつくる会話術
山口さん:食卓での会話は、食事を楽しくしてくれる重要なもの。会話を弾ませながら、食事も進めていけるといいですよね。でも、特に小学校入学前のお子さまは《話しながら食べる》といった「ながら」作業がまだうまくできないもの。おしゃべりに夢中になって、食事の手が止まってしまう……なんてこともよくあります。 そのため「今日保育園どうだった?」「何して遊んだの?」といった会話で、おしゃべりが止まらなくなって困るというケースもあるでしょう。 そんな時、会話の話題としておすすめなのは、食卓に並んでいる料理や食材について話をすること。食事の話題なら、食事への集中を妨げません。その際、ただ「おいしいね」というだけでなく、「今日のキュウリはいつもよりしゃきしゃきしてておいしいね」とか「カレーにハチミツを入れてみたよ。ほんのり甘さも感じない?」と食感や味などを具体的に伝えてあげるといいですね。そうすれば「ちょっと食べて確かめてみよう」という気持ちも刺激され、食感や味を言語化する表現力も磨かれるはずです。 【気になる食事中のテレビ問題。どうするのがよい?】 食事中にテレビをつけてよいか、気になるかたは多いと思います。先ほどもお伝えしたように、小さなお子さまは2つのことを同時に行うのが難しいです。なので、食事に集中できなさそうな場合は、テレビはつけないでおきたいもの。 とはいえ、テレビがついていることで空気が和らぐこともありますし、ニュースの内容などを話題に会話が弾むこともあるでしょう。なにがなんでもテレビはNGというのではなく、状況に応じて判断する柔軟性を持っておけるといいですね。