3人の娘を日本で育てるジョージア大使。保育園では日本語、家ではジョージア語の教育で【インタビュー】
子育てはチームプレー。ジョージア語では父を「ママ」と言う
ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使は、家族をとても大切にしていて、子育ても積極的に行っています。 伊丹 3人の子どもたちが生まれたときのことを教えてください。 大使 長女はジョージアで生まれて、二女、三女は日本で生まれました。ジョージアは無痛分娩が一般的ですが、日本は違いますよね。二女は日本で無痛分娩で出産しましたが、三女は無痛分娩の対応が間に合わずに自然分娩で生まれました。3人とも、出産に立ち会いました。出産は人生で一番大切な瞬間だから、立ち会いたいんです。 伊丹 大使は娘さんたちのお世話もしますか。 大使 帰宅後は、おむつ替えや寝かしつけ、ミルクを飲ませるなど、なんでもしますよ。子育てはチームプレーです! ジョージア語では父をმამა「ママ」と言うんです。 また自分の幼いころって覚えていないですよね? でも子育てをしていると「自分も赤ちゃんのときは、同じように大きな声で泣いていたんだろうな…」「自分も子どものときは、イヤイヤして食べないこともあったんだろうな…」と思うんです。子育ては、自分の知らない乳幼児期の自分に出会えて、いい勉強になります。 伊丹 日本は少子化が社会問題となっていますが、ジョージアではどうでしょうか。 大使 ジョージアも日本と状況がとても似ています。ジョージアでも晩婚化が進んでいますし、「結婚しても、子どもは望まない」と考える人たちも増えています。わが家は3人子どもがいますが、3人いるとジョージアでも子どもが多い印象です。
子どもの病気でわからないことは、妻がジョージアの看護師にオンラインで相談
ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使に、小児科や保育園のことなど子育てについてさらに聞いてみました。 伊丹 先ほど保育園は、インターナショナルプリスクールではないとのことでしたが、小児科はどうしていますか。 大使 小児科は、外国人が比較的多いクリニックに通っています。 ジョージアに帰国したり、外国に行く機会も多いので、子どもの予防接種は、日本のスケジュールではなく、その都度、医師に相談して受けています。 妻は、子どもの病気のことでわからないことがあると、よくジョージアの看護師にオンラインで相談しています。 妻は痛みをガマンしない主義で、少し具合が悪くなるとすぐに市販薬や処方薬に頼るんです。頭が痛いときなどは、日本の解熱鎮痛薬がよく効くと言っています。私は、あまり薬に頼らないので、そこは妻と考え方が違いますね。 伊丹 ほかに日本の子育てでのエピソードを教えてください。 大使 妻は日本語があまり話せないのですが、ある日、保育園の先生が、妻に「underwear(下着)」「long pants(長ズボン)」「diaper(紙おむつ)」など、持ち物をイラストと英語で書いて渡してくれたんです。そのメモを見たとき、日本ならではの「思いやり」だと感心しました。日本で暮らしていることがうれしくなった出来事でした。 お話・写真提供/ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使 取材・文/麻生珠恵 たまひよONLINE編集部 インタビューは、東京都港区にあるジョージア大使館で行われました。大使はとてもフレンドリーで、取材中にスマホでインタビューの様子を撮影。すぐにXに投稿していました。