101回目の箱根路、「超高速」レースの予感…1万m27分台が過去最多20人
年末も押し迫り、来年1月2、3日の箱根駅伝本番が、目前に近づいてきた。第101回大会を目指す登録メンバーの自己記録を分析すると、過去最高レベルの高速化が進んでいることが明らかになった。(編集委員 近藤雄二) 箱根駅伝エントリー全選手の1万mランキングをチェック
過半数の選手が29分切り
今大会の登録選手は、記念大会の前回より32人少ない336人。それでも1万メートル27、28分台は前回を10人上回り、史上最多の176人と全体の約52%に上った。箱根駅伝が新世紀に入る101回大会で、29分を切るランナーが過半数を占める、新時代に突入した。
特に目を引くのが、27分台が20人に達したこと。過去最多は前回の11人だったが、ほぼ倍増した。全体1位は東京国際大のリチャード・エティーリ(2年)で27分6秒88。日本人1位の駒大の佐藤圭汰(3年)も27分28秒50で、26分台ランナーが箱根に登場することも、現実味を帯びてきた。
その中で、上位10人の平均でトップに立ったのが中大だった。15人が29分を切り、10人平均は前回1位だった駒大を約6秒上回る28分15秒62。前回は体調不良者が続出して13位に沈み、主力を欠いた今回の予選会も6位通過だったが、優勝争いができる潜在能力があることをタイムで示した。
前回7区区間賞の吉居駿恭(3年)の27分44秒48を筆頭に、本間颯(2年)、溜池一太(3年)の3人が27分台。藤原正和監督も「(国学院大、駒大、青学大の)3強に追いすがっていきたい」と優勝争いを見据えている。
青山学院大に一挙3人
10人平均で2位につけたのが、連覇を目指す青学大。29分を切ったのは前回同様13人ながら、同大初の27分台選手が一挙3人生まれた。今季好調の鶴川正也(4年)が27分43秒33をマーク。前回2区区間賞の黒田朝日(3年)、5区2位の若林宏樹(4年)も27分台に突入し、懸案だった突出したエースの育成を果たした。
出雲、全日本は3位にとどまったが、箱根では過去10大会で7度優勝と絶妙な調整力を誇る。原晋監督も「今のところ非常に順調。箱根の次なる第一歩となる101回大会で、優勝を目指す」と自信たっぷりだ。