アメリカの大統領を相手取る前代未聞の訴訟となった日本製鉄によるUSスチールの買収計画。きょうの会見で、日本製鉄は「諦める理由も必要もない」として、改めて買収を目指すと、徹底抗戦の構えを見せています。 朝9時から始まった会見。日本製鉄のトップの表情は厳しいものでした。 日本製鉄　橋本英二 会長 「バイデン大統領の違法な政治的介入により、CFIUS（対米外国投資委員会）の審査手続きも適正に実施されないまま、今回の大統領令に至ったものであり、到底受け入れることはできません。米国の事業遂行を決して諦めることはありません。諦める理由も必要もない」 買収計画を進めることが「USスチールが競争力を保つ最善の方法」だとして、あくまでも買収を目指し、徹底抗戦していく姿勢を強調しました。 日本製鉄が、およそ2兆円を投じたUSスチールの買収計画。今月3日に大統領による禁止命令が出され、日本製鉄とUSスチールは共同でバイデン大統領などを相手取り、審査のやり直しを求めるなどの訴えを起こしました。 日本製鉄　橋本英二 会長 「安全保障上の問題があるのであれば、とっくの昔にバイデンは、これを承認しないと判断できた。（Q．戦略は正しかった？あるいは反省点は？）反省点はないです。全てあらゆることは、手を尽くしたということですね」 くしくもこの日… 記者 「日本製鉄など鉄鋼企業のトップらが集う、賀詞交換会が開かれています」 新年を祝うムードの中でも、日本製鉄の社長に買収計画については聞けない雰囲気が… 一方、トランプ次期大統領。SNSで「なぜ今、売却したいのか？」と、改めて買収は望ましくないとの考えを示しました。 また、日本製鉄から訴えられた全米鉄鋼労働組合の委員長は「根拠のない申し立てに対しては強く反論していく」とコメントし、こちらも争う構えです。 今後の裁判について、橋本会長は「勝訴のチャンスはある」としましたが… 日本製鉄　橋本英二 会長 「何％の確率であるとか、どのような期間で出るということは、今は申し上げるタイミングではないと思います」 大統領を訴える異例の裁判はどのような展開をたどるのか。舞台は法廷の場に移り、争われます。