【全文】ノーベル医学生理学賞の大村智氏「全て微生物がやっている仕事」
今度は下村文科大臣から電話
TBSテレビ:先生、今、電話のようですね。どうぞ、どうぞ。 司会:すいません。文部科学大臣からお電話が入ってるみたいで、申し訳ございません。 男性:もしもし。ただ今大村と代わります。少々お待ちくださいませ。 大村:(下村大臣と電話) もしもし、大村です。どうも。わざわざ親切に。ありがとうございます。いえいえ、とんでもございません。いや、まさかこういう賞をいただけると思ってませんから、本当、驚きました。いや、いや、ありがとうございます。ああ、そうですか。そうですか。そうですか。ええ、ええ。はい。 もともと私は大学が山梨大学の、その当時、学芸学部といいまして、高校の先生とか中学の先生を主として養成するという学部だったもんですから、それで卒業して都立高校の先生やりましたけども、その都立高校の夜間部っていいましたが、夜間の生徒たちは、もう工場で仕事して、それで駆け付けてきて勉強してるわけですよ。それを見まして、私なんてまったく遊んでいて、ようやく大学卒業したような状態なのを、これではいけないと、自分も勉強し直そうっていうことで、本格的な勉強をやったっていうことですね。はい。 ええ。ああ。はい、はい、ありがとうございます。ええ。はい、はい。 まあ、人生いろいろ歩いてみますとやっぱし、この道に行ったら大変だろうなとかっていうことはあると思うんですけど、そういうものにやっぱり向かって行くぐらいのあれがないと、本当はいい人生を送れないじゃないかというふうに私は思うんですね。楽な道、楽な道へ行くと結局は、本当のいい人生にならないと私は思います。だから厳しい、こちらの道行ったほうが厳しいかもしれないっていう、そういう道を選ぶべきじゃないかと私は、自分じゃそう考えていますけどね。はい。ええ。そうです、そうですね。はい、そうですね。はい。はい。はい。はい。はい。 私は自分自身が、学校の先生からスタートしたっていうこともありますから、大学出てから。やはり高等教育にばかり目が向いて、やはり文部省としても若い子供たちのためになんかこう、将来に向けた、例えば1つの例とすれば、教員そのものの例えば力を付けるようななんかをやるとかですね。ええ、そう、教員、先生の教える力、そういうものももっと重視して、そういうものにお金を使うとか研修会をやるとか、そういうことを活発にやっていただいたらいいかなと思いますね。もう大学まで来て、私から言わせりゃ少し遅いんじゃないかって気がするんですよ。やはりもっと子供のころからそういう心を持たせなきゃ本当のいい研究者にもなれないだろうし、いい人間。ええ、そうですね、もうね、と思いますね。はい。 私自身もそういうことで、そういうアカデミーをつくりまして、山梨県に。山梨科学アカデミーってのをつくりまして、小学校、中学校に大学の先生、あるいは会社の研究所長さんたちが出向いていって講義をしたり、そういう活動もやっております。それはそういうことから始めているわけ。山梨科学アカデミーっていうのは創立20周年をこの5月に迎えましたけども。ええ、もう20年やってます。こういうのが津々浦々にできるようになればいいなとも思ってましてね。 はい、はい。はい、はい。はい。ええ、ええ。いいですね。はい。はい、よろしくお願いします。はい。いや、いや。はい。はい。大臣こそお忙しい中、ありがとうございました。わざわざすいませんでした。どうもありがとうございました。どうも。 TBSテレビ:すいません。今、お話しになっていたのは下村文部科学大臣ですか。 大村:はい。 TBSテレビ:安倍総理のときはだいたい2分弱だったんですが、下村大臣とはかなり長く、先生のお考えもお話しになっていたと思うんですが、話しやすかったですか。 大村:はい。教育は大事ですからね。教育は大事ですから。 TBSテレビ:すいません、ちょっと意地悪な質問でした。ちなみに先ほど電話をする前に伺ったこと、1点ちょっと聞きそびれてしまったのであらためてお願いしたいんですが。 大村:何を聞かれたか忘れちゃいました。 TBSテレビ:先生のお考えの中に、人と同じことをやっては駄目だと。そこを考えようと思っても考えられない、特に若い方たちは人と違うものはなんなんだろうって一生懸命模索するけれども、それが見いだせずに迷って生きてしまうという方もたくさんいる中で、先生はそういうことを大事にされてきた。 大村:私は人まねしない。人のまねするとそこで終わりなんですよ。それより超えることは絶対あり得ない、人のまねしてたら。これはスキーから学んだことなんですよ。私は高校、大学とスキーばっかりやってたんですけども、国体の選手なんかになりましたけども、新潟県へ練習に行くんですけども、あるとき新潟の先輩からこういうことを聞かされたんです。新潟も北海道に勝つために、もう北海道へ行っては教わってきて練習したと。ところが何回やっても北海道に負けるらしい。そこで横山隆策先生って先生が、もう北海道へ行くのはやめ、自分たちで練習方法を考えて、そしてやらなきゃ勝てないっていうことを言われるわけ。そして自分たちが今度は独自にいろんな研究をして、やがて北海道にずっといつも勝つようになった。そういう話を実際やられて、国体で優勝したような方々から聞かされました。 それがまさに科学も同じだと思うんですね。自然科学、なんの科学も同じだと思います。人のまねやってたらそれを超えることはできないんですね。やはり独自なものを。それは失敗も多いと思いますよ。だけど人を超えるにはやっぱしまねしてちゃ超えられないっていうのが私の、身に付いてる、その学生時代からなんですね。 TBSテレビ:人と違うものを探し当てられない人に対しては、どんなふうにメッセージ、アドバイスをしていただけますか。 大村:努力。もうちょっと、もう一歩、もうひと頑張り。 TBSテレビ:ありがとうございます。 司会:はい、じゃあそちらの前の。