井上尚弥、25年海外進出で国内試合減?「今回は会場で目に焼きつけて」クリスマス決戦に全集中
ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)がビッグな記録に王手をかけ、世界再進出を目指す。24日、東京・有明アリーナでIBF、WBO世界同級1位サム・グッドマン(26=オーストラリア)との防衛戦を控え、4日に横浜市の所属ジムで練習を公開。無敗の最強挑戦者に勝てば4団体統一王者の防衛記録(4度)に迫る3度目防衛となる。25年のテーマに海外マッチを掲げた井上が、4団体統一王者の防衛記録更新を見据えながら「クリスマス決戦」に集中する。 ◇ ◇ ◇ 来年の自身の姿を想像しながら、井上はグッドマン戦のテーマを掲げた。口元を引き締め「2025年は新たに海外進出することを自分の中で考えている。海外試合が多くなっていくので、大事な一戦になる」と位置づけた。世界でただ1人となる4団体統一王者はオーラと風格を漂わせた。 グッドマンはIBF、WBOでランキング1位。井上にとって世界4団体の設定する期限内の指名試合を一気に2団体で消化できる。さらに4団体統一王者として3度目防衛に成功すれば、現3団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(メキシコ)の保持する4団体統一王者の防衛記録(4度)に王手をかけることになる。 契約を結ぶ米プロモート大手トップランク社から25年の米国での防衛戦オファーが届く。また11月上旬、総額30億円(推定)というサウジアラビア政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」とのスポンサー契約を結んだ交渉を契機に同国からも試合開催のオファーを受ける。大橋会長は「グッドマンを圧倒すれば来年は米国、サウジアラビアなど海外進出につながる第1歩になる」と強調。海外で4団体統一王者の防衛記録を更新する道を切り開くためにグッドマン戦は重要な一戦となる。 24年は3試合すべて国内だった防衛戦が25年には全試合が海外開催になる可能性もある。 井上は その(国内試合減の)意識はあるので、今回は会場で試合を目に焼きつけてほしい。自分の試合を初めて見るお客さんには1つの醍醐味(だいごみ)、KOシーンを届けたい。ボクシングに詳しい方には細かい駆け引きをみせたい。みなさんの期待を超える試合を自分は目指す。そこに期待してもらえたら。 大記録と海外進出を見据え、井上がクリスマスイブに向けて全神経を注ぐ。【藤中栄二】