これからが見ごろ 冬の星座の基礎知識
■オリオンの神話 冬の代表的な星座「オリオン座」も、ギリシア神話が由来だ。恋多き、乱暴な性格の美青年オリオンは、プレアデス7姉妹(昴、プレアデス星団)にも恋をして追いかけ回し、あげくには、月の女神アルテミスとも恋仲になる。彼を嫌う人間が毒サソリを放ち、驚いたオリオンは海に逃げた。その彼を、アルテミスが間違って弓矢で殺してしまう。アルテミスに懇願された全知全能の神ゼウスが、オリオンを天に上らせた。星座になったオリオンは、夏の「さそり座」に対して、冬の夜空に輝き、さらに月に1度のアルテミスとの逢瀬を楽しみにしているという。
■ベテルギウスと「冬の大三角」 オリオン座の観察は南の空に並んで輝く、オリオンのベルトに当たる「3つ星」が目印。3つ星の下方にある“もやっ”とした明かりが「オリオン星雲」。さらに、3つ星から左に延長線を引いて、すぐ下の所で明るく輝くのが「おおいぬ座」のシリウスだ。このシリウスと、オリオンの右肩のベテルギウス、さらに「こいぬ座」のプロキオンの3つの星を頂点として作るのが「冬の大三角」だ。その三角形の中を淡い天の川が縦断している様は、なかなか壮大だ。 そのオリオン座のベテルギウスは、100万年以内に“超新星爆発”を起こすとも言われている。この星は地球から600光年離れ、直径が太陽の1000倍、明るさは10万倍もある赤色超巨星で、2年周期で25%程度の膨張と収縮を繰り返している。NASAなどによると、近年はその収縮の様子が変わり、表面温度が不均一になるなど星自体が不安定な状態にあるという。今後の観測結果が注目される。 (文責/企画NONO)