「友達が行ってるからSAPIX」が本当に危険なワケ。人気家庭教師が明かす“フォローの手薄さ”
こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。 中学受験市場が加熱する背景に始まり、それにともなう子どもや親のトラブルなど、多岐にわたって、25年以上家庭教師として第一線で活躍する、長谷川智也さんに話をうかがってきました。 長谷川さんは一貫して「受験は運の要素が大きい」と話しますが、とはいえ「塾選び」も大事です。 近年、首都圏・関西圏の最大手と言われる「SAPIX」を始め、難易度の高いカリキュラムを早期に学習させ、難関校への合格を目指す塾も増えています。これら塾に、合格実績であったり、友達が入っているからといった理由だけで入塾を決めることは「とても危険」だといいます。 今回は中立的な立場である”フリーランスの家庭教師”だからこそ話せる、「塾選び」について聞きました。
塾選びを間違えると即終了? な理由
長谷川さんは「塾選びは先生や友達といった運の要素も大きい」と前置きした上で、適切な情報を元に“ちゃんと選ぶ”ことと、“入塾に必要な準備をすること”が大切だと話します。 「正直な話、合格実績だけを頼りに塾を選ぶとSAPIXに軍配は上がりやすいです。ただ母数の問題もありますし、SAPIXは近年、学習面のフォローが手薄な傾向があり、その点は理解してから入塾したほうがいいでしょう」 共働き家庭が増える今、塾選びは子どもとの相性だけでなく、親がその塾の方針についていけるかを踏まえて検討したほうが良いそうです。 「塾選びで気をつけてほしい点でもう1つ言えるのは、『友達が行っているから』という理由だけで選んではいけないということ。選んだ先がSAPIXだと本当に危険! SAPIXは5年生から学習量も増えていくため、4年生から始めるのと5年生から途中参加するのとでは、カリキュラムの進み具合への印象が異なります。友達に引っ張られる形で中学受験に途中参加するのなら、フォローがある程度ある日能研や四谷をおすすめすることが多いです。 日能研は6年生に上がる年の2月から復習が始まるので、途中参加してもついていけないといった悲劇が少ないんです。SAPIXやGnoble(首都圏に展開する、中学受験・大学受験を主とした進学塾)、浜学園(兵庫県西宮市に本部を置く、中学受験指導を主にした進学塾)なども同じノーフォロー系の塾なので、選ぶ際は慎重に判断してください」