【政治解説】衆院補選、その後は… “保守の王国”で自民“劣勢” 幹事長交代の声も 4月最新世論調査
NNNと読売新聞が今月19日から21日まで行った世論調査で、日米首脳会談後も岸田内閣の支持率は25%と低迷が続いています。そのようななか迎えた衆議院の3補欠選挙。自民党内からは「全敗でも仕方がない」とのあきらめと同時に、敗戦した場合「幹事長が責任を取るのが当然」という声も聞こえます。後任として期待されている人物とは―。日本テレビ政治部の竹内デスクと菅原解説委員の同期コンビが解説します。 【動画】幹事長に石破氏?狙いは支持率アップだけではない
■訪米に一定の評価も、続く支持率低迷
【竹内】 岸田首相の訪米後、内閣支持率はどうなるかと世論調査の結果に注目していましたが、今回もまた横ばいの25%でした。去年11月に岸田内閣が発足して以来初めて20%台となって以降、この半年間ずっと20%台が続いています。 【菅原】 ここが岩盤ということでしょうか。 【竹内】 確かにそういうことをいう人もいます。ある野党議員は「底を打った。岩盤にあたっている。ここからは落ちないのでは」と話していました。 【菅原】 一方で、「支持しない」という回答は過去最高で、また伸びていますよね。 【竹内】 そうなんです。今回、岸田内閣を「支持しない」と答えた人は66%で、前回3月の調査よりも4ポイント上がりました。これは岩盤の支持層とは別の、特定の党派を支持しない、いわゆる無党派層が離れていったという見方ができます。
【菅原】 岸田首相の訪米前は、「得意の外交で支持率アップも」といっていた人もいました。実際、他社の調査では上がったところもありますね。 【竹内】 そうなんです。共同通信、テレビ朝日や朝日新聞、毎日新聞は数ポイント上がっています。私たちの調査で支持率は横ばいでしたが、日米首脳会談について「評価する」が55%と、訪問自体の評価は低いわけではありませんでした。 【菅原】 永田町の反応はどうですか? 【竹内】 野党議員は「訪米があったからこそ、今までよりは下がらなかったのでは」という見方をしていました。一方で、首相に近いベテラン議員は、「やはり訪米だけでは上がらない」と分析していました。“政治とカネ”の問題で、岸田首相は自民党内の処分を決めたうえでアメリカに行くことにより、“ちょっと、ひと息つく”ことを狙っていたと思います。その意味では、支持率が上向いているところもありますし、私たちの調査でも下がりはしませんでしたから、「局面が良い方向に変わった」とまではいえないものの、「現状維持は何とかできた」という見方はできるかと思います。実際、首相の周辺は「海外訪問で大きく上がることはない」と、冷静に受け止めているようでした。