【政治解説】衆院補選、その後は… “保守の王国”で自民“劣勢” 幹事長交代の声も 4月最新世論調査
■“人事からの解散” 可能性は・・・
【菅原】 人事をやって、顔ぶれを一新させて、支持率がちょっと上がったところで解散・総選挙というのは、よくあるパターンです。今年は総裁選も控えている中で、それはありそうですか? 【竹内】 支持率が回復して「これは選挙で戦えるのではないか」というぐらいまでいけば、ありえなくはないんでしょうが、そこまで楽観的な見方はあまりありません。政府関係者の一人は「『人事をやって解散に打って出る』という人もいる」とは認めていますが、「現実には厳しいだろう」と話しています。別の政府関係者も「人事をやってから解散というのは聞くけれども、難しいよね」と。
■石破氏を取り込む“もうひとつ”のワケ
【菅原】 そうなると、石破氏を幹事長に取り込むメリットは、“ちょっと支持率上がるかもしれない”というのと、もうひとつは9月の総裁選に出られないように、石破氏を“封じる”というような側面もありますか。 【竹内】 そうだと思います。世論では“有力な次の総裁候補”と見られているわけですから、有力な対抗馬になり得る石破氏を、岸田さんからすれば、身内に取り込むことによって「封じ込めておきたい」と狙っているようにも見えますよね。実際、首相の相談にも乗ってるベテラン議員も「人事をやって解散に打って出るにしても、それができなくて、そのまま総裁選を迎えるにしても、石破氏は取り込むべきだ」と話しています。 【菅原】 石破氏自身は幹事長を受ける気持ちはあるのですか? 【竹内】 その見方は分かれています。石破氏の周辺は「岸田さんの“延命”に手を貸すことになる」と否定的に見ている人もいます。一方で、自民党の関係者は「そんなことをいってる余裕は(自民党には)ないんだ。自民党の底力を見せられるような布陣にしないといけない。石破さんは自民党が苦しい時には断らない」と話しています。 【菅原】 では、実際に人事に着手するとしたら、日程は? 【竹内】 今回の補欠選挙が終わると、連休中、岸田首相はヨーロッパと南米を訪問します。首相に近い議員は「人事をやるにしても連休明けになる。海外訪問中に人事案を考えるしかない」という見方を示していました。