【政治解説】衆院補選、その後は… “保守の王国”で自民“劣勢” 幹事長交代の声も 4月最新世論調査
■“保守王国”でも自民“劣勢” 衆院3補選
【菅原】 次のポイントとしては、補欠選挙があると思いますが、情勢は今のところどうですか? 【竹内】 ここでもやはり、“政治とカネ”の問題が大きく影響しています。そもそも自民党は、東京15区と長崎3区には公認の候補者を立てられず、いわば“不戦敗”のカタチとなりました。なんとか島根1区は公認候補を立てましたが、今のところ“劣勢”という分析です。 【菅原】 “島根でも負ける”というのは、かなり自民党にとって大きいことですよね。 【竹内】 そうなんです。島根といえば“保守王国”と言われていて、竹下元首相をはじめ、青木元官房長官や、櫻内元衆議院議長、細田前衆議院議長と、そうそうたるメンバーを輩出しています。しかも、自民党は衆議院の小選挙区で、島根では負けたことがありません。2009年に当時の民主党が政権を取ったときでさえ、島根の小選挙区で自民党の候補者は負けませんでした。ですから、その島根で劣勢ということは、それなりのことだといえます。
■補選全敗で“岸田おろし”は始まるか
【菅原】 今回、3敗となれば、さすがに政局ということになりますか? 【竹内】 もちろん負けることは政権のダメージにはなると思いますが、ずっと自民党は低迷が続いてますよね。岸田政権はもちろんですけれど、自民党自体の低迷も続いているので、もはや“負け”は織り込み済みになってしまっているところもあります。首相を支える議員の一人も「全敗でも仕方がない」といっていますし、政権の幹部も「『今回ばかりは自民党にお灸を据えてやろう』という、“うねり”がすごい」と話していました。 【菅原】 そうすると、すぐに“岸田おろし”はなさそうですか? 【竹内】 そうですね。やはり自民党議員の中には「岸田首相では選挙は戦えない」という人が、それなりにいることはいます。ただやはり、首相の側近は「自民党自体が沈んでいるのに、『岸田首相さえ代えればよい』という状況ではない」と分析しています。また、政局に強い自民党議員のひとりは「“ポスト岸田”がいないなかでは、政局にはならない」と話しています。補欠選挙で負けたからといって、「すぐに首相を代えよう」とまではいかないという見方が多いのです。