北朝鮮のICBM発射めぐり安保理会合 米、擁護する中露を批判
北朝鮮が10月末に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことを受け、国連安全保障理事会は4日、緊急の公開会合を開いた。安保理決議違反だとして多数の国が発射を非難し、米国はロシアと中国が「恥ずかしげもなく」擁護を続けているとして批判を強めた。 米国のウッド国連次席大使は会合で、ロシアに派遣された北朝鮮兵が「数日以内」にウクライナに投入されるとの見方を示し、両国の軍事協力の新展開は欧州からインド太平洋の広い範囲に影響を及ぼすとした。 日本の山崎和之国連大使は、10月末のICBMはこれまで北朝鮮が発射した中で最も高度が高く飛行時間も長かったとし、「地域のみならず世界全体の安全保障環境をさらに悪化させる」と懸念。韓国の黄浚局(ファン・ジュングク)国連大使は「挑発行為や核・ミサイル開発の追求は、北朝鮮の苦難と、体制を存続するためのジレンマを悪化させるだけだ」と指摘した。 一方、北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は「主権の侵害」だとして会合を要請した日米韓などに反発。ロシアは、西側諸国が北朝鮮に対する「効果のない制裁措置」を維持するため、北朝鮮を「悪魔化」していると擁護した。中国は「ただ制裁や圧力を加えるのではなく、状況を緩和する具体的な措置が必要だ」と従来の主張を繰り返した。【ニューヨーク八田浩輔】