大谷翔平が「弁慶の泣き所」克服へ!? 過去2年で打率.200…「左腕の〇〇」を攻略!
◆ 克服すべきは… 区切りの「50本塁打&50盗塁」に向けて、カウントダウン態勢に入っているドジャースの大谷翔平。ファンの間では “Xデーがいつ”になるかが議論の的となっているほどだ。 残り16試合で「3本塁打&2盗塁」……。シーズンを通して大谷を見てきたファンなら、ケガでもない限り、「50-50」達成はほぼ間違いないという確信めいたものを感じているはずだ。 ただ大谷とすれば、個人記録よりチームの勝利が重要というのが本音だろう。チームは、現地時間11日(日本時間12日)のカブス戦で連敗を2で止めることに成功。2位とのゲーム差を5として、地区優勝に向けてもカウントダウン態勢に入りつつある。 また、11日の試合で大谷が放った今季47号は、ポストシーズンに向けても大きな一撃となったかもしれない。 というのも、相手投手が左腕で、球種はスライダーだったからだ。 野球ファンなら「左投手対左打者は投手有利」という野球界の格言をよく知っているだろう。国や時代を問わず、この格言がほぼ正しいことはデータが証明している。 大谷ももちろん例外ではなく、右投手に比べると左投手に対する成績が若干落ちる。 今季の大谷を例にとると、右投手に対しては打率.304、36本塁打、OPS1.090だが、左投手には打率.271、11本塁打、OPS.818。2021年にOPSが逆転したこともあったが、大谷のメジャー通算OPSを見ると、対右の.987に対して、対左は.828と、小さくない差が生じている。 特に昨季以降の大谷が苦しんできたのが、サウスポーが投じる曲がる系(Breaking)の球種だ。メジャーリーグの公式データサイト『Baseball Savant』によると、曲がる系に分類されているのは、スライダー、カーブ、ナックルボール、スイーパーなど。左打ちの大谷にとって、肩口から入ってくるボールで、切れのいい投手だとどうしても泳ぎ気味になってしまう球種である。 大谷は左投手が投じるこれらの球種に対して、昨年の開幕から11日の試合前まで、145打数29安打(打率.200)と打ちあぐねていた。 実際に10日のカブス戦で、大谷は左腕・今永昇太に3タコを喫したが、このうち2打席が曲がる系に分類されるスイーパーだった。 11日の試合で左腕ウィックスが投じたスライダーは、真ん中よりの甘いコースだったことは間違いない。それでも、弾丸ライナーで右翼に運んだ事実は大谷にとっても大きな意味を持つのではないか。 ポストシーズンになれば、ライバル各球団も早めの継投で、実力派サウスポーを次々と大谷にぶつけてくるだろう。大谷が世界一の夢をつかむためには、その“一球”を打ち返さなければいけない場面が必ず訪れるはずだ。 文=八木遊(やぎ・ゆう)
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