1回1500円で「男性ハゲ」の治療ができる…内服薬よりも副作用の心配が少ない「最新治療」とは
■男性型脱毛症の原因は毛の成長期間の短縮化 秋は「抜け毛の季節」といわれる。通常、成人は1日に約70本程度の髪の毛が抜けるが、この時期は倍以上抜ける人もいるとか。夏の紫外線によるダメージや、気候による皮膚の乾燥など、さまざまな説がある。 【図表】男性型脱毛症の治療方法と推奨度 抜け毛というと、すぐに一般的な「ハゲ(薄毛)」が思い浮かんでしまうが、脱毛の原因は多岐にわたる。円形脱毛症や脂漏性皮膚炎(頭皮の皮膚炎)のように、見た目は似ていても治療薬が異なるものもあれば、甲状腺など内臓の病気が潜んでいる可能性もある。「遺伝だ」「年だ」と決めつけず、抜け毛が気になるときは皮膚科医に診断してもらうことをお勧めする。 また原因や治療法は男女で異なる。今回は男性の薄毛の多くが該当し、前頭部の生え際部分や頭頂部が薄くなっていくのが特徴の「男性型脱毛症」(AGA)を取り上げたい。 日本皮膚科学会のガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」によれば、AGAの日本人男性の発症頻度は全体で約30%。年代別では20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40%超と、年齢とともに高くなる。 なぜ薄毛になってしまうのか。 一本一本の髪の毛のサイクルは「毛周期」といい、成長期(2~6年)、退行期(2~3週間)、休止期(約3カ月)を経て、再び成長期に戻ることを繰り返す。休止期になると毛根の深さが浅くなり、新しい毛に押し出されるように、古い毛は抜け落ちていく。 この通常なら2~6年ある毛の成長期が、AGAによって短くなってしまうために薄毛になるのだ。先に紹介したガイドラインに携わった齊藤典充医師(なごみ皮ふ科院長)が説明する。 「原因は、男性ホルモンのテストステロンが年を取ると酵素(5αリダクターゼ)の働きによって、さらに活性の高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されること。パワーがあるDHTが髪の毛に作用すると、発毛の司令塔を萎縮させて発育を邪魔します。髪の成長期を短縮させ、毛根が太く深くならないうちに休止期に入るため、髪の毛が抜け落ちてしまうのです」 その後、成長が不十分で萎縮した毛根から新たに生えてくる毛は、柔らかく短い軟毛に……。短いサイクルの毛周期によって、毛根はみるみる萎縮し、軟毛化が進んでいく。 「AGAはゆっくり進行するので、太かった毛が徐々に細くなります。するとあるとき、『あれ、ボリュームが減ったかな』と。軟毛化が進むと、やがてうぶ毛のようになって毛の体をなしません。新たな毛も生えにくく、地肌が見えるようになります」(齊藤医師)