待望の妊娠と同時期に進行性の乳がんが判明。子どものいない人生か、手遅れになっても子どもを産むか…選択を迫られて【妊娠期がん経験談】
帝王切開の手術直後に、がん手術!抗がん剤治療をしながら守ってきた小さな命を無事に出産
妊娠8カ月まで、抗がん剤治療を続けた福田さん。1カ月ほどの抗がん剤治療のお休みを経て、出産を迎えます。 「病院からは、出産の手術とがんの切除手術を合同で行うと言われました。妊娠37週に入ったところで、予定帝王切開で出産し、そのまま同じ手術台の上で、がん切除の手術をする、と。予定帝王切開の日までに陣痛が来ちゃったら、頑張って産んでから、手術するしかないね~と言われていましたが、とりあえず無事に予定帝王切開の日を迎えられました。 最初は部分麻酔をして、帝王切開で出産。生まれた息子を一瞬だけですが、見ることができました。『無事に生まれましたよ。じゃあ、次はがんの手術に入りますね』と言われて、先生たちがバトンタッチ。私も全身麻酔になり、がんの手術が始まりました。 幸い私の場合、妊娠中に行った抗がん剤がよく効いてくれて、がん細胞が画像では見えないくらい小さくなっていたので、がんがあった部分を切除するだけの手術でした。見た目にもあまりわからないくらいきれいに縫合をしてもらいました。時間もそんなにかからず、朝9時に帝王切開が始まって、午前中には手術が終了。病室に戻り、ようやくゆっくり赤ちゃんと対面することができたんです」(福田さん) 生まれてきた息子さんは、体重こそ約2500gと小さめだったものの、保育器にも入らず、元気なお子さんでした。無事に赤ちゃんを出産し、喜びいっぱいの福田さんでしたが、これで終わりではありません。産後は、これまでよりも強い抗がん剤を使いながら、新生児のお世話をするという怒涛の日々が始まるのです。 お話・写真・イラスト提供/福田ゆう子さん 取材・文/酒井有美、たまひよONLINE編集部 妊娠判明という喜びの時期に、進行性のがんが判明し、つらい日々を送った福田さん。でも、福田さんのあきらめない心が、治療をしながら妊娠を継続するという道を開き、無事に新しい命を生み出すことができました。 インタビュー後編では、新生児育児と並行しながら行った産後の治療や現在の活動について聞きます。 「 #たまひよ家族を考える 」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指して様々な課題を取材し、発信していきます。