ポケトークが「鬼門のアメリカ」でつかんだ自信 苦難続く日系ITスタートアップの活路となるか
■ヨーロッパはさらに大きな市場 一方で、専用端末を必要としない定額制のサービスも始めている。2023年3月に提供を始めた「ポケトーク ライブ通訳(旧・ポケトーク for BUSINESS 同時通訳)」では、チャットGPTの開発元であるオープンAI社の技術を活用し、 音声と字幕によるリアルタイム翻訳を可能にした。 ウェブブラウザにも対応するほか、2024年3月には自動で言語を判別し、双方向のコミュニケーションが可能となる新機能をグローバルにリリースしている。
松田氏は「ポケトーク・インクの四半期黒字化をみて、メルカリの山田進太郎さん(CEO)やスマートニュースの鈴木さんも、どうすればアメリカ展開をうまくできるのかと相談に来た。ポケトークは最初に成功する可能性があるし、この先ヨーロッパはアメリカと同じか、それよりも大きな市場になる可能性がある」と夢を描く。 日本のスタートアップにとって長年難所となっていた部分をどこまで攻略できるのか。松田氏率いるポケトークの挑戦に多くの視線が集まっている。
二階堂 遼馬 :東洋経済 記者