新外国人にストッパーを任せるセ、パ5チームの命運は?
各チームの2016年度の戦力がほぼ出揃った。セ、パ共に目につくのが、「優勝チームに絶対守護神あり」の条件をまだ満たしていないチームが少なくないこと。チームの根幹を成すストッパーに計算が立たず、新外国人頼りの構想を抱いたまま、キャンプに突入するチームが、5チームはある。 16年ぶりにセ・リーグの覇者となったヤクルトは、今季41セーブでタイトルをオ・スンファンと分けたトニー・バーネット(31)が、レンジャーズに移籍。61試合に投げ23ホールド、防御率2.40の成績を残し、バーネットにつなぐイニングを支えたオーランド・ロマン(37)も解雇され、勝利の方程式が崩壊した。再構築するため、先発、中継ぎ、抑えの両睨みで、カイル・デイビーズ(32)、左腕のルイス・ペレス(30)、ジョシュ・ルーキ(31)の3投手を補強。今季33ホールドのローガン・オンドルセク(30)を、ひとつ後ろへスライドさせ、秋山、久古らを総動員させる構想も持ちつつ、キャンプ、オープン戦で“2016年版の勝利方程式”を再構築するという。 阪神も不正賭博容疑がかけられたオ・スンファン(33)との交渉を打ち切り、絶対的守護神を失った。“ポスト、スンファン”として、ドミニカ出身のマルコス・マテオ(31)の獲得が内定。もし、キャンプ、オープン戦を通じて、“合格通知”を渡すことができなければ、2年4億を超える大型契約でカムバックした藤川球児(35)、セットアッパーを務めている福原忍(39)のスライドでしのぐしかない。 だが、藤川は、右肘の手術の影響で、かつての150キロを超える火の玉ボールの再現はむずかしいと見られていてストッパーに必須の連投が可能かどうかも未知数。必然、マテオへの期待値が高まるのだ。 また昨季シーズンを通じてストッパーを固定できなかった中日も、故障で1軍登板のなかった岩瀬仁紀の復活と、福谷浩司の成長を待ちながら抑え候補として得意のドミニカルートを使ってファン・ハイメ(24)を獲得した。セは、巨人、横浜DeNA、広島以外の3球団がストッパーが不確定だ。 パ・リーグに目を向けると、西武とオリックスの2チームが、新外国人に抑えを任せるプラン。西武は、台湾出身で、台湾プロを経由せずメジャーに挑戦していたC.C.リー(29)と契約。オリックスは、前マーリンズで、最速163キロが触れ込みのエリク・コーディエ(29)を獲得している。