新外国人にストッパーを任せるセ、パ5チームの命運は?
新外国人は、日本野球へ適応できるかどうかが重要で、その成否はギャンブルだと言われている。近年、ピッチャーに関しては、成功例が多いが、そもそもストッパーに適した人材とは、どういうピッチャーなのか。期待の大きい新外国人は成功することができるのだろうか。 元阪神のチーフスコアラーで北京五輪では代表チームのチーフスコアラーも担当した三宅博氏(現在岡山商大・特別コーチ)は、ストッパーの条件をこう定義している・ 「スピードボールがあるにこしたことがないが、クルーンのように速いけど、コントロールのないストッパーは最悪だ。やはり条件としては、一に精度の高いコントロール、次に空振り、ファウルを取れる特殊なボールを持っていること。 特殊なボールとは、わかっていても打てないボール。例えば、大魔神佐々木のフォークのようなウイニングショットだろう。全盛期の阪神の藤川のホップするようなストレートも、その特殊なボールになる。 そして、もうひとつ大事な部分がメンタル。ストッパーは極度の緊張に包まれ、一球で勝敗が左右する場面を任されるのだから、強靭な精神力が必要になるし、シーズンを通じて浮き沈みのある中、一定した精神を維持する、精神のスタミナも必要になってくる」 データと映像から、三宅氏が指摘する条件への適合度を探ると、阪神のマテオは、188センチ、100キロの巨漢を躍動させるアーム型のピッチングフォームで、打者への威圧感がある。150キロ後半のストレートを投げ、昨季はパドレスで29試合27イニングを投げて33奪三振で、奪三振率が11.0(9イニング投げたと想定した場合の三振数)と高いのが特徴。持ち球は、スライダー、ツーシーム、チェンジアップを含めた4種類だが、チェンジアップはほとんど使っておらず、スライダーを多用、空振りも取れる。だが、細かい制球力はなく、クイックなども不器用。スライダーの被安打率も高い。それでも、昨季のメジャー登板に限っては、与四球率(9イングを投げた想定した場合の四球数)は3.00と、まずまずだった。