新外国人にストッパーを任せるセ、パ5チームの命運は?
ヤクルトのペレスは「プレミア12」にドミニカ代表で出場していた左腕。ツーシーム、シンカーを武器にする技巧派だが、細かい制球力はない。ストッパーというより、久古に頼り放しだった左のワンポイントの強化を想定しているのだろう。 日本での大化けが期待されるのは、むしろ195センチの長身でタイプ的にはバーネットの系統のルーキの方。綺麗なオーバーハンドでストレートは150キロクラス。空振りの取れるスプリットもある。それでも昨季は「素直すぎる球筋が通用しない」と判断されメジャー傘下の球団との契約も取れずメキシカンリーグでプレーした。彼がアジャストできなければ、有力なのは1年の経験を経たオンドルセクの昇格かもしれない。 中日のハイメは、ストレートは160キロを超え落ちるボールもあるが、マイナーでの与四球率が7点台と制球は最悪でメジャーに定着できなかった。“はまれば”手に負えないだろうが、条件付きのストッパー候補。 一方、パを見ると、オリックスが獲得したコーディエは、昨季3Aで35試合に登板、9セーブ、防御率1.35の数字を残しているが、与四球率が5.85と、制球の悪いのが気になる。163キロのストレートが自慢だが、使える球種は、他にはスライダーしかない。 西武のC.C.リーは、2014年にはインディアンズで37試合に登板したが、防御率は4点台。ツーシームとスライダーを操る横の揺さぶりを軸にしたピッチングスタイルで、スライダーで三振を取れるが、メジャー平均の与四球率が4.24と精度の高さはなく、日本球界では必須とも言える落ちるボールがないのが欠点。 あくまでもデータと映像だけでの評価で言えば、三宅氏の語る「制球力と特殊球」のストッパー条件を兼ね備えている候補は、一人も見当たらないのが現状(そもそも、現時点で条件を満たしているならメジャーが手放さない)。しかし、データや実績が当てはまらずとも、昨季の広島、ジョンソンのように日本野球にピタリと適応して、大化けするピッチャーも出てくるので現時点で結論など出せないだろう。 最後に長年ネット裏でスコアをつけ続けた三宅氏に過去最高のストッパーを聞くと「大魔神。ストレートとの違いがわからず、ストンと落ちるフォークを持ち、そのコントロールが抜群だった。コントロールと特殊球で言えば、中日の岩瀬の全盛期だろう。わかっていても打てないスライダーを寸分たがわずに両サイドにビシ、ビシと決めてきた」と、元横浜の佐々木主浩と、中日の現役、岩瀬の名前を挙げてくれた。 2016年。優勝の条件である絶対ストッパーを持つチームは、どこになるのだろうか?