“キンメダイ”から作った魚醬 愛知県で初めて製品開発に成功 うまみ成分は濃口醤油の約2倍! リニューアルオープンする竹島水族館で50本限定販売
食品業界の技術支援機関である愛知県の食品工業技術センターは、深海魚の加工を行う喜栄丸カベヤ水産加工と共同で、キンメダイで作った魚醤「深海ギョの魚醤 キンメダイまるごと」を開発しました。 魚醤とは、魚を塩と漬け込んで発酵させた調味料のこと。国内では、ハタハタなどを使用した秋田の「しょっつる」や、イカやサバなどを使用した能登の「いしる」などが有名ですが、キンメダイの魚醬は珍しく、同センターによると愛知県では初、全国でも静岡県、東京都に次いで3例目だということです。
発酵の過程で、魚の体内にある酵素がたんぱく質をアミノ酸に分解することで、うま味が形成されますが、温度が低いと酵素分解が進行しないため、これまでは気温の高い夏しか醸造できないという課題がありました。今回の開発では、熟成時の温度をコントロールすることにより、夏以外でも醸造可能に。さらに、従来は醸造期間が2~3年必要だったところ、9か月程度まで短縮することにも成功しています。 うま味の指標となる全窒素量は濃口醤油の約2倍もあり、喜栄丸カベヤ水産加工の担当者は「キンメダイの味や匂いをしっかりと感じられる魚醬に仕上がった」と、その味に自信をのぞかせました。
キンメダイの魚醬を開発するきっかけとなったのは、蒲郡市の形原漁港で加工に向かない体長20cm以下のキンメダイの漁獲量が増加したことにありました。廃棄を減らして有効利用できないかと、喜栄丸カベヤ水産加工から同センターへ相談があり、魚醤の開発に取り組むことになったということです。 「深海ギョの魚醤 キンメダイまるごと」は、70mlで税込950円。10月12日にリニューアルオープンする竹島水族館で、50本限定で販売されます。