阪神・佐藤輝明、今季は球界4位だった走塁での得点貢献度 来季はV奪回へもっと走る
阪神・佐藤輝明内野手(25)が11日、甲子園で来季は走塁面での成績アップを掲げた。プロ4年目は自身初の0盗塁に終わったが、走塁での得点貢献度を示すアルティメットベースランニング(UBR)は大幅に上昇。3年連続で春季キャンプの臨時コーチを務めることが決まった球団OB・赤星憲広氏(48)から盗塁の極意をさらに学び、2025年は足でも虎を引っ張っていく。 データが裏付けする成長があった。〝赤星塾〟で学んだ走塁意識は、目に見えて分かりづらくとも虎の勝利につながっていた。常に先の塁を狙った2024年を振り返り、佐藤輝は確かな手応えを口にした。 「(来季は)できるだけ上位打線を打ちたい。今年も走塁の数値はよかったので、どんどん上(位)で打てればなと思います」 佐藤輝の言う「走塁の数値」とは、盗塁、盗塁死を除く走塁での貢献を得点化したアルティメットベースランニング(UBR)のことだ。リーグの平均値を0とし、そこから何点分、走塁で貢献できたかを示す指標。球団スタッフによると、大砲は23年の1・9から24年は6・0にグンと上昇。NPBでチームメートの近本(9・1)、中野(9・0)、矢野(広島、6・1)に次ぐ4位に入った。 そんな走塁面での成長につながった教えが、23年から沖縄春季キャンプで臨時コーチを務めている赤星氏の金言だった。 「(赤星さんは)『焦り過ぎるのはよくない』と言っていた。特にノーアウト、1アウトの時。2アウトなら(バットに)当たった瞬間〝ゴー〟ですけど、それ以外は一瞬考える時間をつくって正しい判断をする、というのはすごく参考になりました」 象徴的なプレーがあった。8月8日のヤクルト戦(神宮)。四回無死から四球で出塁すると、続く大山の打席でエンドラン。平凡な三ゴロだったが、打球を処理して一塁に送球した三塁手・村上がベースから離れていることを確認すると、佐藤輝は迷うことなく三塁を陥れた。常に先の塁を狙う積極的な姿勢で好機を広げ、前川の適時打で決勝点のホームを踏んだ。打撃と守備に加えて、走塁面でも大きな伸びしろを示したシーンだった。 今季はプロ初の0盗塁に終わったが、2年目の22年には11盗塁をマークするなど脚力はある。3年連続で春季キャンプの臨時コーチを務めることが決まった赤星氏も「隙をつくのがうまそう。意外と抜け目ないところを持っている」と評価し「走れると思いますよ。(盗塁に)いってもらう技術の指導はしようと思う」と極意を伝授する考えだ。