高田延彦が発症した「心房細動」とは? 初期症状・なりやすい人の特徴も医師が解説
心房細動の初期症状
「動悸・胸部不快感」 心房細動の初期の症状として、普段より脈が速くなったり、不規則な脈になるため動悸や胸部の不快感、違和感が起こったりします。このような症状が出現した場合には、早めに循環器内科を受診しましょう。 「息切れ、労作時の辛さ」 心房細動が持続することにより、心不全を合併し、うっ滞すると息切れ、倦怠感、動いた時にきつさを感じるようになります。人によっては、咳込みやむくみの症状が起こることもあります。このように息切れや、動いた時にきつさを感じる場合には、無理に運動をせず安静に過ごし、早めに医療機関を受診しましょう。循環器内科を受診するのが良いでしょう。 「めまい」 心房細動の症状の一つとして、脈の乱れがみられます。脈拍が早くなることもあれば、脈拍が遅くなる人もいます。脈拍が遅くなる場合、数秒程度の心拍動の停止がおこり、脳への循環が悪くなり、めまいや失神を伴うこともあります。このような症状がみられた場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
心房細動の主な原因
心房細動の原因として多いのは、①加齢、②高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、③心臓病(弁膜症、心不全、先天性心疾患、心筋梗塞、心筋症)④飲酒、喫煙です。それぞれの原因について詳しく解説します。 「加齢」 加齢に伴い、心房細動の合併が多くなります。2003年の健診の結果より、心房細動の有病率は、70才代で男性3.44%女性1.12%、80才以上で男性4.43%女性2.19%でした。何も病気がなかったとしても、加齢により心房細動を発症することもあります。70才を超えたら、ご自身の脈を測る習慣をつけましょう。また、脈の乱れを感じた場合には、循環器内科を受診しましょう。 「生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群」 糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病では動脈硬化が進行しやすいため、心疾患の合併が多く、心房細動の発症率も高いです。また、睡眠時無呼吸症候群も睡眠時に低酸素状態が持続し、心臓に負担がかかるため心房細動発症の危険因子となります。いずれの病気も、それぞれの病気をしっかりと治療することで心房細動を発症することを予防することができます。これらの病気がある方は、まず治療をしっかりすることが大切です。 「心臓病」 心臓病は心筋に負荷がかかるため、心房細動の危険因子となります。弁膜症や虚血性心疾患、心不全、先天性心疾患、心筋症のいずれの病気も原因となり得ます。これらの病気が元々ある方は、通常から病気を良い状態にコントロールしましょう。心臓病の加療を継続することが、心臓の負担を軽減することにつながり、心房細動の発症を防ぐことになります。 「飲酒、喫煙」 飲酒や喫煙も心房細動発症の危険因子です。アルコールは、分解産物が心筋に障害を与えることで、心臓にストレスを与えます。また、喫煙者は非喫煙者と比較し、心房細動発症のリスクが1.5倍上昇します。カフェインの過剰摂取や睡眠不足、精神的ストレスも心房細動の危険因子です。いずれにしても、体にストレスを多く与えるものは心房細動の危険因子となり得るため、気をつけましょう。