「惑星ザムザ」のタッグ再び。布施琳太郎と田中勘太郎の共同企画「150年」が東京・東池袋で1月18日開幕
取り壊し直前の建築群を舞台にした展覧会
展覧会「150年」が1月18日~1月27日に東京の豊島区南池袋で開催される。総監督は田中勘太郎、脚本は布施琳太郎。 会場は、再開発によって取り壊しが決定している東池袋の一区画の建築群で全6棟の広大な敷地に位置する。戸建て住宅や町工場、オフィスが入居する雑居ビルなどが密集しているが、2025年には一斉に取り壊される予定だという。 本展は、巨大ビルを舞台に日本美術の現在地を描き出して大きな話題を呼んだ展覧会「惑星ザムザ」以来となる田中勘太郎と布施琳太郎のタッグによる共同企画。前回は布施がキュレーションを担当したが、今回は田中が総監督を務める。 展示作家は、大竹舞人、小野まりえ、加藤広太、黒瀧紀代士、島田清夏、副島しのぶ、髙橋穣、高見澤峻介、田中勘太郎、布施琳太郎、Houxo Que、宮原嵩広、横井菜々、吉田山+orm。 本展について、ステートメントで布施は以下のように説明する。 本展タイトルの発案者でもある田中は、展覧会にかかわる作品設置の現場や展覧会の方針を監督する。さらに、それぞれまったく異なる空間を持つ6棟の建築群に大穴をあけた上で、独自の仮設通路を貫通させる。パラレル状の道、鑑賞導線によってバラバラの建築は壊されながら結び合わされて、ひとつの展覧会『150年』となるのだ。 このような舞台で開催される本展が相手取るのは、150年「前」や「後」ではなく、ただの時間の量としての「150年」である。それは人類にとっては先祖の顔、あるいは未来の発展といった現実がギリギリで想起できない時間量だ。 参加作家たちによる多様な作品を通じて150年は様々に現実化する。150年が建築群に受肉される。ここで提示されるのは、複数的な時間旅行である。その旅行は、今ここにある建築群の過去に束縛されない。各作家が準備しているのは互いに異なる150年のかたちなのだ。 気が付けば同時代性がたんなる権威づけの手段として使われる今日の現代アートに対して、複数の作家たちが「150年」という時間量を設置する本展は、芸術作品を通じて〈無から傷を生じさせることはできるのか?〉を問う。それは矮小化した現代アートとはまったく別の時間感覚に向けた賭けだ。 ここに集積される異形の時間たちとの出会いによって来訪者のイマジネーションを暴走させること。それが本展の賭けであり、今もまだ芸術に残された可能性だと信じている。 気鋭のアーティストたちが限られた期間のなかでどんなヴィジョンを示すのか、期待したい。 展覧会「150年」 会場:豊島区南池袋4-22-10 会期:1月18日–1月27日 時間:12:00–19:00(最終入場18:00) 入場料:1500円
Art Beat News
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