米国で車両衝突の容疑者、2回にわたる事前調査…スマートメガネで撮影も
米ニューオーリンズで元日、新年を祝って集まっていた人々に車が突っ込み、数十人の死傷者を出した容疑者が事前に2回にわたって現場を視察し、緻密に犯行を準備していたことが明らかになった。 【写真】FBIが公開した車両突進テロ容疑者のシャムスド・ディン・ジャバー氏 AP、AFP通信などによると、米連邦捜査局(FBI)は5日(現地時間)、捜査状況の発表で、テキサス州出身のテロ犯、シャムスド・ディン・ジャバー容疑者(42)が昨年10月末、犯行現場のルイジアナ州ニューオーリンズを初めて訪問したと明らかにした。今月1日、犯行に先立ち、少なくとも2カ月前から現場を事前踏査した情況が明らかになった。 ジャバ―容疑者は当時、自転車に乗って市内の繁華街であるフレンチクォーターを訪れ、ゆっくりと現場を見回り、米メタ社のスマートメガネをかけて周辺を撮影したりもした。容疑者がかけていたメガネは、着用していれば手を使わずに撮影が可能なモデルだったと、FBIは説明した。 容疑者は特に、踏査の途中に突然全身鏡に自分の姿を写したりもしており、これは撮影機能を確認しようとしたものとFBIは推定した。 容疑者は来月の11月10日、ニューオーリンズを2回目に訪問した時もスマートメガネを着用した。ただ、機能をつけてはいなかったことが分かった。 そして3回目の訪問だった1月1日、繁華街であるバーボン・ストリートに集まって新年を迎える人々にトラックを最速で突進させ、15人を殺害して35人以上をけがさせた。 42歳の退役軍人である容疑者が犯行のために借りたトラックからは、「イスラム国(IS)」の旗が発見された。 これに先立ち、テロ犯は2023年6月、エジプトのカイロを訪れ、11日間滞在し、同年7月にはカナダのオンタリオ州を3日間訪問した。 FBIは、テロ犯が当時、外国訪問で誰に会ったのかなど行跡を追跡中だと明らかにした。 これに先立って、FBIは、テロ犯が犯行数時間前にISからインスピレーションを受けたことを示す動画をソーシャルメディアに投稿したことが明らかになったとし、犯行の動機を調べている。