【主将座談会】完山徹一×上村充哉×中村充「アスレのエンブレムを背負う以上、負けちゃいけない」それぞれが考えるキャプテン像と引き継がれる“アスレ・イズム”に迫る|Fリーグクラブ特集/立川アスレティックFC
「いつやめても悔いはない」(完山)
──立川は、毎年のように中心選手が“引き抜かれる”ように移籍しています。その分、「チーム力の低下」を指摘されることもありますが、どう感じていますか? 上村 気にしていないフリをしていますけど、正直、すごく気にしています。かなり前の時代から考えると、(渡邉)知晃さん、トシさん(田中俊則)に始まり、(内田)隼太、ジョー(ジョナタン・ナシメント・ダシルバ)、(金澤)空、クロ(黒本ギレルメ)、昨シーズンは(新井)裕生も抜けました。(※渡邉知晃、田中俊則は2021年に現役引退) 僕が入団してからは毎年のように主力選手が抜けているので、 きつい気持ちもあります。でも「あいつがいなくなったから順位が下がった」と言われたくないし、逆に上げていかないといけないと思うから、いいモチベーションになっています。 中村 選択するのは僕らではないし、選手自身です。だから残った選手でやるしかないし、残った選手はアスレのエンブレムを背負う以上、負けちゃいけない。ただそれだけです。下位になるかどうかも、好きに憶測すればいいと思います。周りからどう思われていても、応援してくれる人たちのためにやるだけだと思っています。 上村 充の言うとおりですね。今シーズンは、裕生がいなくなった分、みんなであいつが決めてきた分の得点を分け合って決めようという考えで戦っていました。 これまでの「プラス10%を頑張ろう」という気持ちで全員がプレーしているから、今なんとかなっていると思います。 完山 たしかに、最初のミーティングでサバスも「新井がいない」という話はしてたよね。でも自分たちが頑張れば、選手が抜けたことと順位は関係ないと伝えてくれたから、少しずつ今みたいなマインドでやれるようになった。ここにいる2人と、ナグちゃん(南雲颯太)、(酒井)遼太郎などが今のチームを引っ張ってくれていると思う。 ──上村選手がアスレで戦い続け、チームを強くしていこうと思える理由はなんですか? 上村 シンプルにこのクラブが好きで、このクラブで優勝したいから。別のチームのほうが金額的な条件がいいといった話をされたとしても、お金は自分で稼げると思っていますし、自分のクラブに対する気持ちのほうが大事ですね。 中村 お金をもらってフットサルだけで生活できることが理想だとは思いますが、そうでなければ充哉みたいに自分で稼げばいい。僕も会社で働きながらプレーしていますが、条件なども会社に掛け合えばいいだけですし、対応してくれるかどうかは、その会社次第。いくらでもやり方はありますし、お金がすべてだったらおそらくフットサルはやっていないですね。それぞれの夢があるから、今でも仕事をしながら続けています。 もちろん、競技をする上で条件が良くなることは理想ですし、そうなるために自分ができることはしますけど、無理なものは無理だと割り切るタイプではありますね。 完山 その話で言えば、自分が続けているのは、純粋にフットサルが大好きすぎるから(笑)。年齢で見たら先はないけど、自分のなかには目標や夢があるから。 ──目標や夢。 完山 とにかくみんなと一緒にFリーグで優勝して、アスレでアジアクラブ選手権に出場することが一番の目標ですね。いろいろな感情が日々湧き出てきますが、フットサルをする目的はブレない。それと、みんなと勝負したいのだろうな、と(笑)。 勝ち負けは好きですし、普段はそんなに深く考えず自分の直感で動いています。でもチームに迷惑をかけるようなことはしたくない。自分のなかでまだやり残したことがあると思っているので続けています。ただし、いつやめても悔いはありません。