オリックス・岸田護監督、日本一奪回へ「守り勝っていく野球」今まで以上にデータ活用「教えやすくなる」
オリックス・岸田護新監督(43)は覇権奪還へ、守り勝つ野球を掲げた。昨季リーグ2位のチーム防御率の投手陣を中心に、データを駆使しながら頂点を目指す。また勝負どころではマウンドに向かい投手に活を入れることも辞さない考えも明かし、チームの先頭に立って戦う覚悟を示した。 投手力でロースコアに持ち込み、勝利をもぎ取る。岸田新監督は投手出身らしく、守りの野球で王座奪還を目指す。 「当然、守り勝っていく野球になる。敵ばかり見ていても仕方ない。自分のチームがしっかり野球ができることが一番」 リーグ4連覇を目指した昨季は故障者の続出や打撃陣の不振もあって低空飛行が続き、4年ぶりのBクラスとなる5位に沈んだ。優勝したソフトバンクとは28ゲーム差と離されたが、チーム防御率は王者(2・53)に次ぐ2位の2・82。中嶋前監督の後を継いだ新指揮官は「みんな力はあるので、それを最大限に引き出せられれば」とうなずいた。 その能力を引き出すための手段の一つとして、これまで以上にデータを活用していく方針だ。「いろいろ見えなかった部分も見えるように。選手も分かりやすくなるし、教える方も教えやすくなる」と見込む。 43歳で12球団最年少となる新米監督は行動や言動でもチームを引っ張る。時には自らマウンドに行って投手に活を入れることも「あるかもわからない」とニヤリ。現役時代には今でも覚えている経験があった。2011年6月15日の横浜(現DeNA)戦、九回に当時の岡田彰布監督からマウンドで「開き直っていけ」と言葉を掛けられ、ピンチを切り抜けることができた。「投手は気持ちが一番大事」。指揮官の振る舞いがチームにどう影響するかをよく理解するからこそ、先頭に立って戦う姿勢を見せるつもりだ。 開幕投手に内定している宮城や昨季チームトップタイの7勝を挙げた曽谷、挽回を期す山下、広島からFAで新加入する九里ら強力な先発陣を生かして守り勝つ。2年ぶりの頂点を目指す岸田オリックスの戦いが始まる。(織原祥平) ■岸田 護(きしだ・まもる)1981(昭和56)年5月10日生まれ、43歳。大阪府出身。履正社高、東北福祉大、NTT西日本をへて06年に大学生・社会人D3巡目でオリックスに入団。10年の途中から中継ぎに転向し、11年は自己最多の68試合に登板した。通算433試合、44勝30敗、63セーブ、63ホールド、防御率2・99。19年に引退し、20年から投手コーチ。180センチ、78キロ。右投げ右打ち。背番号「71」