自然災害に備え、飼い主がペットのためにできること〈マイクロチップの装着〉〈ワクチン接種〉〈キャリーケースに慣れさせる〉
◆ペットの存在が生きる希望になる どんなに入念に備えても、災害が起きたら人も動物もパニックになるものです。けれど、覚えておいてほしいのは、動物はとても敏感で、飼い主が動揺するとそれが伝わるということ。まずは飼い主が落ち着き、「大丈夫」と声をかけて安心させてあげてください。 脱走は最悪のパターン。そうならないために、避難中はキャリーケースから不用意に出さないことが大事です。つい「狭いところに入れられてかわいそう」と考えがちですが、そう思っているのは人間だけ。小型犬や猫は狭い空間でも慣れるので大丈夫です。 犬は散歩が必要ですが、猫はトイレもごはんも、大きめのキャリーケースがあれば、その中で行いましょう。 万全の対策をしていても、ペットがパニックを起こし脱走してしまった場合は、犬と猫では対応が異なります。 犬は放っておくと、どんどん遠くへ行ってしまうため、状況が許せばできるだけ早く捜すこと。逆に、猫は半径200メートルくらいの場所に留まる習性があるので、1週間くらいの間に周辺を捜してください。 熊本地震を経験して私が思うことは、ペットがいる避難所のほうが、人間同士のトラブルが少なく、自助、共助がしっかりできているということ。 それは、「動物を守る」という共通意識があり、会話が弾むからかもしれません。動物たちがいることで場が和み、生きる希望になっていると言っても過言ではないのです。 そう考えると、ペットを守るための防災は、飼い主を救う防災でもあると言えるのではないでしょうか。 (構成=島田ゆかり)
徳田竜之介