子どもの権利保護を責務に 三重県議会常任委、来年2月に条例改正案
子ども自ら意見表明、基本理念に
三重県議会は11日、政策企画雇用経済観光、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会を開いた。子ども・福祉部は医療保健子ども福祉病院常任委で「子ども条例」の改正案を示した。子どもの権利を守ることを社会の責務として明記。県が子ども施策を進めるに当たり、子どもの意見を聞くことも定めた。来年2月の県議会本会議に改正案を提出する方針。可決されれば、平成23年の施行以降で初の改正となる。
農業条例改正案に「持久力」追記
<医療保健子ども福祉病院=石田成生委員長(8人)> 改正案は、子どもが自らに関わることについて意見を表明できる社会の実現などを基本理念に盛り込んだ。学校関係者には、子どもの意見を十分に尊重することなどを義務付けている。 子どもや子育てを支援する団体の役割を定めた条文も新設。「子どもの育ちを見守り、支えるよう努める」などと明記した。県民の努力義務として、県の施策に協力するよう定めた。 一方、県は条例の名称を「子ども基本条例」に改める方向で検討していたが、パブリックコメント(意見公募)で寄せられた指摘を踏まえ、改正案は現行条例と同じ「子ども条例」とした。 県は津市で母親の暴行を受けた女児=当時(4つ)=が死亡した事件など、相次ぐ虐待などを受けて条例改正の検討に着手。有識者や高校生らでつくる検討会議の議論を踏まえて改正案を策定した。 <環境生活農林水産=廣耕太郎委員長(8人)> 農林水産部は「食を担う農業及び農村の活性化に関する条例」の改正案を示した。来年2月の県議会本会議に提出する方針。可決されれば、平成22年の施行以降で初の改正となる。 県によると、改正案には、現行の条例にはない「自給力」に関する記述を追加。前文では「安全・安心な農産物の自給力を高める」と定めた。多様な農業経営に関する条文も新設した。 一方、改正案へのパブリックコメントでは、ひらがなと漢字が混在していたり、文法が不適切だったりと、条文に対する指摘が相次いだ。県は指摘のほとんどを改正案に反映させた。 農林水産部は法務・文書課などによる確認を経て改正案を示したと説明。「十分に記述を確認したつもりだった。今後は前後の条文との整合性などを、よりしっかりと確認したい」としている。